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「日本嫌い」

「日本を抜け出してよかった」「日本はもうダメだ」「諸外国に比べて日本は遅れている」「日本は終わっている」

普段の会話、SNSなどで上記のような意見を聞くことが増えてきた。日本の労働環境、政治、教育、法律などを他国と比べては、悪点を見つけて批判する人も多く見受けられる。実は、私自身も、日本と他国を比べては日本の悪いところばかり着目し、批判していたこともあった。しかし、日本で生活してる体感として、「言われているほどなのか」と疑問をもつようになり、改めて考えてみることにした。

 日本の問題で真っ先に挙げられるのが労働環境の悪さ、いわゆる「ブラック企業」問題だ。2015年8月15日、ニューヨークタイムズが、amazon(米)の劣悪な労働環境を報じた。劣悪な労働環境のせいで、精神病になったり流産したりした従業員もいたそうだ。他にも雑誌、インターネットなどでは以下の企業の劣悪な労働環境が指摘されている。

Family Dollar(米)大手100円均一ショップ : 2013年、14人の管理職が、週60時間のサービス残業をやらされたとして、会社を訴えた。

TARGET(米)大手スーパーマーケット : 管理職が従業員に非合法な尋問や脅しを行なっていたことが明らかに。

Microsoft(米)大手IT企業 : 従業員をランクづけし、最低ランクの従業員を解雇。なお、2013年にはこの制度を廃止した。

上記の例の中にひとつでも知っている企業があっただろうか。労働環境において、日本と比較されやすいアメリカの例を3つ紹介した。これ以外にも、様々な世界中の大企業の劣悪な労働環境が明らかになっている。確かに、日本にはブラック企業が多く、労働環境がとてもいいと言える状態ではない。しかし、日本にもホワイト企業は数多く存在する。労働環境の問題は日本だけでなく、世界中で解決しなければならない問題の一つなのだ。他の問題も、同様に少し文献を使って調べてみれば、日本だけではなく他国も同じような問題を抱えている場合があることがわかる。

 各国にはそれぞれの良さがある。日本にもいいところはたくさんある。自動車などの工業製品は世界トップクラスの性能だし、世界治安ランキングでは6位だ。また、生活水準も比較的高い。産業の衰退なども囁かれているが、ボーイングの飛行機も日本の技術抜きには飛べない。こうして考えると、改めて日本の良さに気づかされる。冒頭に挙げたような、日本を批判をする人は留学など、実際に他国の文化に触れた経験がある人が多いように見受けられる。私もアメリカに一ヶ月ほど留学した。異国の新鮮さと文化の違いを実感した分、そう感じやすいのだろう。

 日本に限らず、いいところもあれば悪いところもある。他の国の一面がいいからと言って、私たちにとっていい国とは限らない。近年、外国人旅行者も非常に多い。それだけ日本が認められているということなのだろう。そんな外国人に、日本についてたずねられた時、「日本の××は確かにダメな部分だけど、〇〇は日本のいいところだよ」と自信を持って、答えられるようになりたいものだ。

 

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