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尊重する練習

リスペクトトレーニングという言葉を始めて聞いたのは2年前。

スタッフやキャストが安心して働ける現場作りにと、「リスペクトトレーニング」を日本の映画会社として初めて製作現場に導入したのは、東映が配給する白石和彌監督『孤狼の血』第3弾(2021年8月公開)

きっかけとなったのは、やはり、アメリカで2017年、起きた市民運動「#MeToo」運動です。

映画業界で数十年にも及んで行われてきた大物プロデューサーによる、セクハラに端を発した運動でした。あまりに多くの有名女優が被害を受け、いくつもの提訴があり、ついにその大物プロデューサー、ハーヴェイ・ワインスタインは映画業界を追放されることになった事件でした。

動画配信大手のネットフリックスによるリスペクトトレーニング導入にはこうした背景があります。

そしてその動きを知った東映、白石監督も、自分の映画にそのトレーニングを導入したというわけです。暴力、罵声、飲み会などの強要、そういったことを、武勇伝のように言われていた業界、しかし、これからはそれではダメだ、という思いがあったと言います。

導入してからの変化は、なんといっても現場で笑顔が増えたことだそうです。
「あ、今のちょっとリスペクト足りないんじゃない?」などと、気軽に言える雰囲気ができた、と言います。
なるほど、パワーハラスメントがいけない、というだけで なく相手を尊重しているかどうか、それが大事、という観点を皆が共有できたわけです。
それって、凄いことだと思いました。


しかし宝塚歌劇は遅れをとったようです。
大きな波紋をよんだジャニーズ事務所の性犯罪も・・・・。

閉じられた空間で行われてきたハラスメント、
人が人から(悪意をもって?)傷つけられてきた歴史、
やった側もやられてきた側も、
そしてもしかしたら、それが連綿と続く「常識」だった事実も、

今、変わり始めています。
時代は本当に、変わり始めています。

自分の中にある常識をどうやってパージョンアップさせるのか、本気で考える必要があります。

昨年は中小企業もパワハラ防止法が適用されました。
企業側にパワハラを出さない義務が生じたということです。

部下は上司の命令に従うのが当たり前、という常識はもう通用しなくなっているのです。
いくら、あなたが「俺だって若い頃は、どんな理不尽な上司の命令にも従った」と言おうと、もう時代は変わっているんだ、ということに気づくことが、とても大事だと、思います。

他人事ではなく、自分ごととして捉えていきたいものです。
私の中にも、そんな「古い常識」が息をひそめていないでしょうか?

子供に対して、配偶者に対して、
部下に対して、取引先に対して、

それから猫に対して・・・

自分がしてやっている立場であればあるほど、
本当に、衿を正す必要がある、


相手を本気でリスペクトするために
「練習」が必要です。

リスペクトの第一歩は相手の話を聴く、ということです。

私は二匹の猫の飼い主ですが、
毎日、何がいいたいの?と耳を澄ませます。
残念ながら、分からないときのほうが多くて悲しくなります。

あなたは人の話を聴く練習を、日頃どれくらいやっていますか?

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