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スイカを食べた

2019年4月19日、ちょうど2年前の昨日でした。

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2019年4月13日
先週から急に母の容態が悪くなった。

食べなくなった。反応が悪い。

それでも昨日までは
まだ、20年以上愛用してきたサプリドリンクを
飲む?と聞くと
はっきり、うん、と言って
ストローを口にして、

一気に飲み干していた。

昨日なんか、
合わせて5本も飲んだ。

なのに
今日は半分飲むのがやっとだった。

それ以上欲しがらない。

そういうことなんだなと思う。

覚悟を決める時なんだと。


4月14日(日)
今日が最後のWEB説明会、

今のところ3名の申し込み。
よくやったと思う、
これだけ反応が無かった中で
ここまで頑張れた。


昨日、参加しなかった人にも連絡を取り、
今日の13時に電話できることになった、
オーストラリアのAさんにも
夜8時に話ができるようになった。

最後の最後まで
諦めたくないので。


昨日から母は反応はほぼなくなっている、
ヘルパーさんが良くしてくれるのが有り難い、

今日は2時ごろまで行けないけど

それが終わったら、また行く。

できるかぎりそばについていてやろうと決めている。

いつ、春風荘から電話がかかるかと
ヒヤヒヤしているが、
今のところ大丈夫
感謝します。


4月15日
説明会が全て終了。
びっくりする、
合計7名が申し込み、

まさかの結果にただ驚く。
母が守ってくれているとしか思えない・・・

仕事を終えて、午後3時くらいに行くと、
相変わらず何も食べてないけれど、
今日は少し反応がある。
何か欲しいものある?と聞くと、

「果物が欲しい」

と言う。

うん、わかった。明日買って持ってくるね、というと、

「ううん、今、欲しい」

やけにはっきりとした声で母が言う。

分かった、買ってくる。

大急ぎで近くのスーパーへ行き、
イチゴと、パイナップル、スイカが
小さくカットしてあるものを買ってきた。

母は、スイカが美味しいと
何度も言って、嬉しそうに食べた。


翌日もまたスイカを買って持って行った。


でももう、母は一口も食べられなかった。

たった1日で・・・

どうしても、今、食べたい
と言った意味が分かった。


4月17日
先週からストローで
サプリドリンクを飲むことができなく、
先週の土曜日以来、
飲ませてなかったが、

一昨日、火曜日、ホームのケアマネさんが
スプーンでミルクを
コップ一杯飲ませたと聞き、


え、

と思い、
昨日は残っていたサプリドリンクを
スプーンで飲ませた。


飲んだ。


しかも、飲む?と聞いたら
かすかだけど、頷いたのだ。

少しずつスプーンで含ませながら
飲ませると
確かに、ごくんと飲み込んでいる。

飲む意思があるのだ。


諦めていたのは私の方だった。

今朝は朝から、
追加の商品を買いに行く。

そうなんだ、
熱があるということは
母のカラダの中で、
戦っているんだ。

白血球が多いことも、
好中球が多いことも、
母は戦ったいるのだ、

そう思ったら
応援するには、これしかないと
やっぱり思えた。


今日はなんと、
ほぼ1本飲んだ。


日、月、火と諦めていた私は馬鹿だ、

抗生剤の点滴なんか・・・

くそくらえ、だ。

そうだ、母は諦めてなどいない、
死への旅立ちの準備なんかではなかった

まだまだ
戦っていたんだ、

なぜ、それに気づかなかったのだろう

声は聞こえている、

何度も呼びかけ、
大丈夫と言い、
手を握って

絶対にわかっているのだと思う。

そんな気がした。

しばらく仕事をすべてキャンセルした。

私のカラダの続くかぎり
そばにいようと思った。


4月18日
静かに寝ている・・・

半日いたけれど、ほぼ寝ている。
午後になって、帰ってきた。

帰ってしばらくすると、夜、電話があった。

様子がおかしいので今から来れますか?

いよいよか、と思う。

猫に餌と水をあげて、トイレも掃除して、
それから飛んでいった。

部屋の空気がいつもと少し違う。

下血したそうだ。
ナースが一度だけ念を押す。

「本当に、病院へ連れて行かなくていいですか?」

ハイ、と私。

呼吸は落ち着いている。
でも声をかけても反応しない。

静かだ・・・・


ヘルパーのTさんが、仕事が終わり着替えてから
様子を見に来てくれる。
結局、彼は8時に仕事終わってから、
11時近くまでずっと母の手を取りそばにいてくれた。

ずっと緊張しっぱなしだとしんどいから、
ソファで横になってていいよ、と。

夜中から朝までは
一人でずっと母の横にいた。

ナースはその日、夜間の勤務じゃなかったのに、
勤務を変更して一晩、ずっといてくれた。

2時間ごとに様子を見に来てくれる。


何故、ここまでみんな良くしてくださるのか・・・
信じられない思いだった。

母はそれから意識を取り戻すことはなく、

本当に静かに、
朝9時15分、息を引き取った。


ナースが医者を呼び、待っている間、
ヘルパーさんたちは、ほとんど全員が
入れ替わり立ち代わり、部屋を訪ねてくれた。

下血をキレイにしてあげようと、
お湯を持ってきて、お尻を拭いて、
下着を替えてくれた。


まるで家族のように、
涙ぐんだり、
私の手をぎゅっと握ってくれたり、

私はその間、微笑んでいたと思う。


お通夜には、
勤務時間外の10名以上のヘルパーさんたちが
来てくれた。

なんだか

信じられない光景を見ているみたいだった。

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最後のスイカを食べさせられて、本当に良かった、
すぐに買いに行って良かった・・・
その後、何度もその時のことを思い出しました。

「頑張る覚悟」はこれで終わりです。
長いシリーズを、最後まで読んでくださったあなた、
本当にありがとうございました。


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