抄子

人生に沈殿した澱部分。今は割と平和に暮らしてます。

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最近の記事

防衛本能〜3つのFというらしい

最近では有名になってきた話。 私が初めてカウンセリングを受けた時に聞かされて、目から鱗がたくさん落ちた話。 二十歳頃、"自律神経失調症" という雑多な括りだけ診断を下されたものの、精神薬も運動も病院通いも暖簾に腕押し、多眠も過呼吸もパニックもいっこうに治る気配もなく、息苦しさに死にたい毎日を過ごしていた私に光明が差した。 そのきっかけは、とあるカウンセラーに聞かされた、"3つのF"にまつわる話。 その内容を、整理も兼ねて、以下にまとめておこうと思う。 * * * 初めて

    • 性被害は身近なもの

      いきなりセンシティブなタイトルで申し訳ない。 ここのところ、色々なニュースで性被害関連の話題を目にするのだが、同時にSNS上ではそれについて、「そんなに多いはずがない」といった意見もちらほら見られた。 幼い頃から性被害を多く受けていた身としては、「けっこう多いんだよ!」を声にして言いたくなったのである。 これはもちろん、注意喚起や現状周知のためでもあるが、性被害を受けている本人が「私のってもしかして性被害……?」と気づくきっかけになってくれれば、という理由が大きい。 とい

      • Survivor's Guiltってかっこよすぎ

        Survivor's Guiltーーサバイバーズ・ギルト。 発音だけ聞くと、メタルのタイトルにでもありそうな単語だ。直訳すると「生き残ったものの罪悪感」みたいな感じだろうか。(やっぱりメタルのタイトルみたいだ。) これは最近ではだいぶ有名になった心理学の言葉で、たとえば戦争や旅客機事故のような大事故、あるいは虐待・犯罪などで多数の人が亡くなった中、ひとりだけ生き残った生存者などが抱きがちな「私だけ生き残ってしまった」というような罪悪感を示す概念である。 前記事で小学校の時

        • JRAという病気(日本中央競馬会ではない)

          表題の病名を聞いたことのある方は決して多くはないだろう。 現在では「JIA(若年性特発性関節炎)」と呼ばれているらしいこの病気(私も今調べて初めて知った)、20年ほど前は「JRA(若年性関節リウマチ)」と呼ばれていた。 難しいことはわからないが、本来菌やウイルスなど外敵と戦うはずの免疫機能がおかしくなって、間違えて人体の方を攻撃してしまう膠原病の一種で、名前の通り若年層(多くは小児)が罹る病気である。 膠原病は種類によっていろいろと出方・深刻度が異なるが、私が罹患したこの病気

        防衛本能〜3つのFというらしい

          ひと夏過ごした病院が、移転だそうで

          去年末に偶然目にした看板に、「来春、市立病院移転予定」の文字があった。 かの市立病院は、20年前、私が小6のひと夏を過ごした思い出の場所である。 最後にこの病院を利用して、もう10年ほどになるだろうか。 すっかりご無沙汰だったので、「最後に一目」意気込んで見に行ってきた。 バスを乗り継いで、病院前で下車。 坂を上って敷地に入ると、外来棟と入院棟で作られたL字型の建物の直角内側部分を、ちょうど45度に見上げるかっこうになる。 病院自体は「いかにも市立病院」といった感じの、白い

          ひと夏過ごした病院が、移転だそうで