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兎座ナナチは美味しい狂気

好きな作品と食べ物のコラボに目がない。

少し前に、好きな作品×好きなお店という奇跡のコラボ、「メイドインアビス×兎座LEPUS 兎座ナナチ 第四層」に行ってきた。

■元Joël Robuchon スーシェフブランジェが創る絶品うさぎパン

「ベーカリー兎座LEPUS」(以下、兎座)さんは、以前からうさぎデザインのパンが可愛いとSNS話題で、実はすでに購入したことがあった。
『メイドインアビス』にはうさぎのような姿のキャラクターが登場するので、うさぎ繋がりでコラボしたものと思われる。

うさぎラスク

ベーカリー兎座LEPUS
2017年3月にオープンした元Joël Robuchonのスーシェフブランジェが作るウサギをモチーフにしたパンや焼き菓子を販売するパン屋です。
SNSで話題になり売り切れ続出したウサギ食パンをはじめ、様々なパンを販売中です。

メイドインアビス×兎座LEPUS 兎座ナナチ 第四層HPより

メイドインアビス
隅々まで探索されつくした世界に、唯一残された秘境の大穴『アビス』。どこまで続くとも知れない深く巨大なその縦穴には、奇妙奇怪な生物たちが生息し、今の人類では作りえない貴重な遺物が眠っている。
「アビス」の不可思議に満ちた姿は人々を魅了し、冒険へと駆り立てた。そうして幾度も大穴に挑戦する冒険者たちは、次第に『探窟家』呼ばれるようになっていった。

アビスの縁に築かれた街『オース』に暮らす孤児のリコは、いつか母のような偉大な探窟家になり、アビスの謎を解き明かすことを夢見ていた。そんなある日、リコはアビスを探窟中に、少年の姿をしたロボットを拾い…?

メイドインアビス WEBコミックガンマ公式サイトより

兎座さんのパンは、デザインが可愛いだけでなく、味もしっかりしていて大人向け。個人的には、くるみ味とチョコ味のうさぎバンズがお気に入り。とても好みだったので、その後も何度か足を運んでいた。それが好きな作品「メイドインアビス」とのコラボと聞いてこれは行かねば!と思ったのだ。

■コラボ商品が狂気なんですよ

私が購入したコラボ商品はこちら。

画像2
ネリタンタンのお肉パン(左上)、ナナチのチョコとバラコチャのフィナンシェ(手前中央)、 行動食4号(右上)

コラボは大人気で行列ができるほどだったので、在庫があったものを一つずつ購入。ほんとは沢山買いたかった!

□ ネリタンタンのお肉パン

「ネリタンタン」は作中に登場する生き物。ねずみのような外見をしており、凶暴ではなく、食用とすると美味しいため、あらゆる生物の餌となっている。ちょっと切ない生き物だ。

『メイドインアビス』3巻 より

こちらのパンを食べてみると、肉の中にたくさんの香草の香り。ネリタンタンは菜食なので、実際に食べたらこんな味なのかな、と思ったり、調理過程で肉の臭みを取るために香草をすり込んだイメージなのかなと思ったり。この時点で、原作への愛と再現度がヤバいぞ、と息をのみました。私、今、ネリタンタン食べてる……!

□行動食4号

名前から想像する通り、探窟家のための栄養補助食品。この世界のカロリーメイト的なやつ。

行動食4号

ネリタンタンを食したことで作品への愛とコラボへの情熱、そして再現クオリティが半端ないことを理解したので、「マジで壁の味したらどうしよう」と戦々恐々としながら口にしました。

『メイドインアビス』4巻 より

パキパキっと割れていく感じは漫画の通り!
でも味は普通においしくてほっとしました。いや壁の味わからんけど……。ナッツ類が色々入っていて、腹持ちがいいです。案外サイズも大きい。リコの体と比較すると妥当なのかな。
おいしいお茶に合わせたら結構優雅な食事になりそうな気がする。素材がよさそうな味なんですよ。多分探窟家よりいいもの食ってる。

味も良いのですが何より、「あの行動食4号を食べてる!」という喜びと楽しさがもう、満ち満ちていました。

□ ナナチのチョコとバラコチャのフィナンシェ

食べる直前まで忘れていたのですが、こちらのフィナンシェ、「ナナチのサインをグラスシュガーで写した毛入りのチョコとバラコチャのフィナンシェです」という設定なんです。バラコチャというのは、作中に登場する植物。バラコチャの実をネリタンタンは好んで食べるといわれています。

ナナチというのは、色々あってうさぎのような耳ともふもふの体になった登場人物。

ナナチ。『メイドインアビス』3巻より

で、割ってみたところ、

もさぁ!!

「うわぁ、ナナチの毛が………!!!!!!!」

もっとこう、さりげなく、気にならない程度に入っているのかと想像していたのですが、もさぁっとたっぷり入っていたのでビビりました。

このためにどれだけナナチの毛が抜かれたのだろう……ナナチ大丈夫かな。ビジュアルにビビりましたが、味はとってもおいしい。毛も食感には響かないんです。不思議。ちなみに毛は「漢方やお茶に使用される「とうもろこしのひげ」を使用しております」とのこと。

ビビりながら食べましたが味は美味しくボリュームもあって大満足でした。ナナチの毛、食べちゃったな……。というか、コラボで表面にキャラクターのイラストを入れるとかはわかるんですよ。でも、毛を入れるって何!? 普通、そんなこと考えます!?いや作中にもナナチの毛が刈られる描写はあるんですけれども。考えたとして、その企画通します?

私がもし決裁権者だったら一瞬ためらいます。
でも、誰も止めなかったらこうして世に出てるんだろうなぁ。

□ 夜明けの花 ショコラ

いちばんの狂気は、この「夜明けの花 ショコラ」です。

美味しそうなショコラですが……

一見、ふつうのフォンダンショコラ的なものに見えますが、作中に登場するプルシュカというキャラクターの名前からとっています。作品世界では「夜明けの花」という意味の名前なんだそうです。

※以下、「メイドインアビス」のネタバレを含みます。ご注意ください※

そんな彼女ですが、なんというか、非業の死を遂げます。いや必ずしも不本意な死ではないのかもしれないのですが、とにかく衝撃的な亡くなり方をします。

実はこのショコラ、その様を模したものなんです。作品に触れていないと何のことだかわからない、ショーケースに並んでいても違和感のないものですが、知っていると想像をはるかに超える、凄まじい、コラボ商品です。

こわくて買うか悩んでいたのですが、残念ながら、人気で売り切れていました。もしまた販売されることがあったら、挑戦したいような、したくないような、複雑な気持ちです。

こんなショコラをつくるなんて、ほんと人の心がないよ。(褒めています)

■埒外なクオリティの素晴らしいコラボ

『メイドインアビス』の魅力は、アビスの謎と、探窟家の狂気にあると、私は思っています。

その狂気は、好奇心や探究心、そして非倫理的な行いやバケモノ的な能力と隣り合わせで、一概に良いとは言い難いものの、そのおかげで技術は進歩し、謎が明らかになっていく。
狂ってる人たちに出会ったときのヒリヒリする感覚が、読んでいて好きなんです。

で、ですね。キャラクターイラストや世界観を取り入れるのが普通のコラボ、作品に敬意を持ってファンをあたたかく受け入れてくれるのが最高のコラボ。

そう思っていたけれど、「作品と狂気レベルまで揃えてきたコラボ」は流石に初めて。

味も発想も狂気の質も高い、すごいコラボでした。

ちなみに兎座さんには「スギナミノウサギ」というフィナンシェ風の焼菓子があります。

スギナミノウサキ

これ以上ないのではないか、というくらい完璧なフォルムをした、愛らしいうさぎ形の焼き菓子。
も〜食べるのがもったいない! かわいい! お土産にもしたい!!

味もしっとり濃厚で大変美味しいのですが、食べていてふと、兎の目につかっているものと同じ丸いチョコレートが裏側にも付いているのに気がつきまして。

「たまたまついちゃったのかな? ラッキー。いや、これは、 まさか、うんk……」

いやいやそんなまさか。

動揺しながら未開封のものをみてみると、そちらにもあった。そう、これ、この位置、このフォルム……

うんこでは?

こんなに可愛くて美味しいものをつくるのに、確信犯でのこのデザイン。

日頃からいい感じの狂気と遊び心を孕んでいらっしゃるのだなと、ますます好きになってしまいました。

うさぎデザインのものだけでなく、普通のお惣菜パンや甘めのパンもあります。どれもこれもおいしいです。

うさぎバンズ、キッシュ、ドライトマトのフォカッチャ

数量限定ですが通販も行っているので、興味のある方は是非。



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