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勝手に10選〜カッコいいアルバムジャケット(洋画サウンドトラック編)〜

(前記)

以前から、カッコいいアルバムジャケットを邦楽と洋楽に分けて幾度か勝手に10選している。

筆者はもちろん音楽が大好き(←何をいまさら)であるが、映画も人生において欠かす事の出来ない、大好きで影響を受けているカルチャーだ。

名作とされる映画には、映画を支える名曲が存在する。

映画と音楽は親身一体となって存在し、お互いを高め合うものだ。

素晴らしい映画と出会って、サウンドトラックを聴きながら、その余韻だったり、目を閉じて、その映画のアトモスフィアに浸る時間も素敵な時間なのだ。

そのアルバムジャケットを眺めて、飾るだけでも気分が高揚するのだ。

今回はその様な観点から、カッコいいアルバムジャケットのサウンドトラックを勝手に10選する。


・Easy Rider(1969)

・Easy Rider(1969)

バイク映画の金字塔である"イージー・ライダー"のサントラだ。

バックの黄色い背景が、太陽や荒野を連想させ、モノクロームでガサついた加工をされた斜め後ろからのピーター・フォンダ。
荒野を見つめて、何を想うか。

題目のフォントも実に味があり、両脇に主演2人の名前と、バランス、位置も実に見事だ。

1番上にある文を赤にする事で絶妙なアクセントとなっている。


・The Godfather(1972)

The Godfather(1972)

ゴッドファーザーのサントラだ。
なんと、シンプルでソリッドだろう。

黒の背景にフォントが実に緻密で、ゴッドファーザーの世界観を実に見事に評価している。

fatherの部分がマリオネットになっている所が意味深である。

黒と白のみのミニマム極まりないデザインから、マフィアの冷酷さと映画が放つ男の美学が否が応でも香る素晴らしいジャケットだ。

・THE STING(1973)

THE STING(1973)

映画"スティング"のサントラだ。

公開は1973年であるが、舞台は1930年代のシカゴであり、ノスタルジックなポスターを思わせる雰囲気と、レトロな画風によって描かれるポール・ニューマンとロバート・レッドフォードが実に洒落ている。

赤に黒縁で題名を粋なフォントで記し、"エンターティナー"を主題歌にしている為、スコット・ジョプリンの名前も表記する事でレトロ感に拍車をかけている。

主演2人のバックに円を描きそこから左右に2本の黒い線を入れ、下部にも同様の線を入れる事で、バランスを保ち全体が引き締まっている。


・American Graffiti(1973)

・American Graffiti(1973)

映画"アメリカン・グラフティ"のサントラだ。

1962年のアメリカにおける少年少女達を描いた作品であり、サントラはまさに古き良きアメリカ、ゴキゲンなオールディーズが香るジャケットだ。

ダイナーのウェイトレス、オレンジの背景にセクシーな白いシャツが映え、手に持つコーラやハンバーガーや、ネオン管をイメージに五線譜に歌い踊る様なタイトルが実に50's、60'sを連想させ、素敵なオールディーズが流れてくる様だ。色合いも見事にまとまっている。

帽子に"Mels"と書いてあるが、これはロスアンゼルスに現存するダイナーで、筆者がロスアンゼルスに赴く際には必ず行くダイナーである。

・Scarface(1983)

Scarface(1983)

映画"スカーフェイス"のサントラだ。

シンプルかつソリッドで見事なジャケットだ。

真ん中から左が黒であるが、この境目がアル・パチーノの輪郭を沿う事で、アル・パチーノが白のセットアップに身を付けている事が解る素晴らしいテクニックだ。

モノクロームのアル・パチーノと背景と真ん中に赤で描いたタイトルのフォント、バランスが実に見事だ。

・Stranger Than Paradise(1984)

Stranger Than Paradise(1984)

映画"ストレンジャー・ザン・パラダイス"のサントラだ。

そもそも映画自体が前編モノクロームであるが、ジャケットもモノクロームとし、ジョン・ルーリーを向かって左にもたれかかせ、右の背景が壁である部分に赤で文字を描く事で左右のバランスがとれ、赤が見事な差し色になっている実にカッコいいジャケットだ。

・Stand by Me(1986)

Stand by Me(1986)

スタンド・バイ・ミーのサントラだ。

見事、というしか言葉が見つからない。

青を基調として、濃淡を駆使して、空、山、湖をタイトに表現し、4人の少年のシルエットも絶妙なサイズと配置であり、そして題目も青と黒を活かしつつフォントも見事にタイトルと曲名、アーティストも記して、バランスも素晴らしくパーフェクトにまとめている。

少し太陽が見えているのも絶妙なアクセントになっている。

・Bagdad Café(1987)

Bagdad Café(1987)

映画"バグダッド・カフェ"のサントラだ。

雲ひとつない青空の下、タンクを磨く人物のフォトであり、タンクの右側の青空に赤でタイトル、その他監督や音楽監督の名前を白にて、絶妙なバランスで記している。

タンクより向かって左側の空が黄ばんでいるのもなんとも良いアクセントになっているが、以前のポスターなどを見ると、ここの部分も青空なものも存在し、人為的なものかどうかは事かは不明である。

・Pulp Fiction(1994)

Pulp Fiction(1994)


映画“パルプ・フィクション"のサントラだ。

ベッドにハイヒールのまま横になり、左手には読みかけの本、右手にはタバコ。
タバコの煙が絶妙にカッコいい。
そして、タバコの箱の隣にはピストルだ。

なんといっても、ユマ・サーマンの艶っぽさとその目つきだろう。
怒りか、誘惑か、訝りか、嘲りか、どれにも当てはまりそうな美しく怪しい目つきだ。

周りをぼかしており、ユマ・サーマンの顔付近にピントを微妙に合わせているのも実にセンスの良さを感じる。

上部の赤がアクセントに、黄色でフォントも見事なタイトルも見事に映えている。

・Trainspotting(1996)

Trainspotting(1996)

映画"トレインスポッティング"のサントラだ。

白を背景に少し青みがかったモノトーンで主演のユアン・マクレガーを大きく、タイトルの下に主要な登場人物を描き、オレンジに白抜きのタイトルが緩急をつけて見事にカッコいい。

また、アルバム全体や登場人物も細いオレンジの線で囲っている事で全体がしまっている。
対極の色遣いが見事だ。

ユアン・マクレガーの余白に、サントラに参加したアーティスト名が列記されているのも、実にセンスを感じる。


(後記)

映画の名作には名サントラが宿る。

今、勝手に考えた1文であるが、まんざら間違ってもいなそうである。

今回はサウンドトラックのジャケットにフォーカスしたが、ジャケットを選ぶ度に様々な音楽、名シーンが頭の中を横切り、楽しい時間であった。

また、この企画もやってみたい。

読んでくださった方々へ
ありがとうございました。

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