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目があった瞬間の「結婚」という二文字(でもちがう!)

ポジティブな世界観のハコである「結婚」


一回けっこう長い時間目があったの

…そしてその瞬間私は…「結婚!!」って思ったの…

腐女子のつづ井さんという漫画26話で、主人公の友人 オカザキさんが、好きなアイドルのライブへ行ったときの所感である。

しかし、オカザキさんはこう続ける

私もまさか本気で結婚できるとかしたいとか思ったわけじゃなくて

その瞬間頭に浮かんだのがその単語だったんだよね

好きなアイドルへの想いの中、浮かんだ「結婚」という二文字は、”結婚”と異なる感情を表す単語であるのがここには書かれているが、この感情はなんなのだろうか。


アイドルに恋をすると言うのは、恋に恋をする若い学生ならよく聞く話だ。
もちろん、それが大人になってから続く人もいるだろう。
「恋愛感情である」といいつつも、割り切ってときめきだけを享受する人もいるだろう。

しかし、オカザキさんはそれのどれでも無いように思う。
彼女たちは1話から読むと23才前後、大学を出て働き始めたばかりである事がわかる。

腐女子(オタク)である事から、恋愛も含む様々な創作コンテンツにも、人より多く触れて来たであろう。
もしかしたら恋人もいたかもしれないし、中学生や高校生ほど、身の芯から恋に恋焦がれるほど子供でもない。
つまりは、自身の恋愛の延長線上にある結婚の意味ではないだろう事がわかる。

割り切った「ときめきだけ享受する」形にしては、画面からも台詞からもその瞬間に対する没入感が高いように思う。

これは自身の思う通りの世界に没入している時の感情ではないだろうか。

スターウォーズのファンが、ロケ地であるチュニジアの砂漠に行って、まるで本当の映画の世界の一員になれた様な気持ち。

対象(人)に対する没入ではなく、世界観に対する没入であり、作品と自分の間の区切りがあるからこそ、それが曖昧に感じられる瞬間に高揚するのである。

もしかしたら、まだ結婚していない彼女達は、"ポジティブな世界の一形態"を指す言葉として、「結婚」を使っているのかもしれない。




自身も似た様な体験がある。
誰かと誰かが本当に気があう状態に感じたのだ。(古いネットスラングでいうケコーンである)
実際自身や誰か同士が結婚して欲しい・できるとは思っていないのだが、それをここで「私の思う良き世界観が今ここに構築されている」「それがとても嬉しい」に解釈するとても素直な気持ちになれる。

何か新しい言葉をつけたいくらいだ。


参照:腐女子のつづ井さん - つづ井 https://comic.pixiv.net/works/2393


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