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覚悟

人間、生きていると予期せぬ様々な困難にぶち当たる。

それはある日突然目の前に立ちはだかる大きな壁かもしれないし、ジワジワと忍び寄ってふと振り返ったときにもう逃げ場のない袋小路に追い詰められているのかもしれない。

どちらにせよ、「さあ、どっちにする?」と決断を迫られた時、自分の意思で「こっちだ」と言い切るにはどうすればいい?そしてそれを可能にするには一体何が必要なのか。

ネットの世界は時に人を惑わし狂わせる。虚飾の世界に翻弄され、自分自身がまるで別人格になって日常から非日常にいとも簡単にワープし、そこでは自分の理想とする人間に変身して、本当は思ってもいないような綺麗事や嘘の姿を作り出し、人を欺いて裏で舌を出している人間はきっと少なくない。

そう、私は実際にそういう人間に騙されたことがある。

酷い仕打ちをされ、もう何も信じることができなくなって。人間不信というやつに襲われ、大声で泣き喚いてもう二度と人を信じることはできないだろうと絶望の淵に追い込まれたことがある。そんな大袈裟な、と思うでしょ?それが本当のことだから。だから今でもネットの世界はまだ少し怖いし、正直信用していない部分もある。

それでも。

人間の生命力というやつは皮肉なもので、時間とともに腹は減るし眠ることもできるようになるもの。そしていつの間にか「命取られるわけじゃなし」などと諦めに哀れみを交えて自笑していたりする。

本当は何が欲しい?何を求めている?

『自分の本名も名乗らずに、何を偉そうに説いたところで誰の心も掴むことなんてできない』そんな風に言う人がいる。うん、確かにそうだよな。私は自由な表現ができなくなることを恐れて本名は隠している。自分一人のことだけ考えていればいいなら話は別だけど。私には守るべき家族がいるからそこは譲れないしそれでいいと思っている。

私は全てを開示することが必ずしも正解だとは思っていない。それをすることによって守るべきものが守れなくなっては本末転倒だからだ。

認められたい? 誰に。何のために。
愛されたい? 誰に。どんなふうに。
必要とされたい? 誰に。一体何人に。
聞いてほしい? 誰に。何をどこまで。

その先にあるのは何なんだ。何が手に入る?実際の生活で何が変わると言うのだろう。

何にも変わりはしない。魔法が解けた後のシンデレラのように、薄汚れたドレスと泥だらけの裸足の情けない自分の姿を目の当たりにするだけだ。

本当は腹が減って仕方がないくせに。喉が乾いて仕方がないくせに。満たされたフリをして仮面を被って生きていくのか。それで得られる関係がどれだけ脆く儚いものか分かりもしないで。いや、本当はよく分かっているはずなのに。

半端な覚悟しかなくて、自分で自分が信じられない状態で、人に認めてもらえるわけなどない。

一人で立ちたいんなら覚悟を決めるべきだ。

認めて欲しいんなら自分の意思を表明せよ。

愛なんてものは求めてばかりじゃいつまでたっても手に入りはしない。

欲してばかりじゃいつまでたっても、自分が周りの人に与えられるわけがない。

可哀想なんかじゃない。哀れなんかじゃない。

人と比べていては何が自分にとっての本当の幸せかなんてわかるはずもない。

覚悟を決める。

自分の人生を自分で選んで、自分の足で歩いていくと覚悟を決めるんだ。

そうしないと、いつまでたっても本当の幸せなんてやっては来ない。

全てを受け入れる覚悟、誰にも頼らず自分の面倒は自分でみる覚悟。

そこから初めて見える景色がある。そこからでないと見えない光景。

覚悟を決めて生きる。

それは自分を信じるということ。

自分を信じて、できると信じて、実際にやり抜くこと。やり遂げる努力を惜しまないこと。そこには意地と根性も時には必要だろう。綺麗事ではない。いざとなったら自分の代わりに責任をとってくれるような人は現実の世界には何処にもいないと心して。

言い訳なんてしている暇はない。人生の残り時間は刻々と終わりへと近付いている。それはどんな人間でも平等に。弱音を吐き合って慰め合ってるだけでは、その傷はいつまでも癒えないままだ。他人事だと思うからこそ善人になることに酔いしれるうちに、自分の足元がいとも簡単に掬われる現実。

誰も頼れないと分かった時から、自分が選べる人生は始まる。本当のスタート地点。

さあ、どっちだ。どっちへゆく?

虚飾の世界はいつか必ず崩壊する。

足元を見て。

しっかりと地面に両足はついているか?

その背に何も飾りはついていないか?

本当は最初から何も持っていないことに、ちゃんと気付けているか?

そこから初めて始まる。真っ直ぐに歩める、自分で選んだ人生が。

自分の人生を取り戻したい君へ。

自分の足で歩き出したいあなたへ。

それは誰の人生ですか?

決めるのはあなた自身だ。

愛をこめて。

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