見出し画像

誕生日におもうこと

昨日、誕生日を迎えました。
57歳になりました。

50を過ぎてからは年齢は特に気にならなくなって、大体55ぐらい?みたいな感じでここ数年を過ごしてきました。40代までとは明らかに違ってきた。

それはなぜだろう?と自問自答してみたら、どうやらその辺りから自分も相手も性別が気にならなくなってきた、というのが大きいです。
性別を気にしていたときは自分の年齢をとても意識していました。

40代の自分はまだ「女」の自覚がしっかりありました。
もちろん今でも「女」であることには違いないのですが、なんというか、女であるが故の自意識みたいなもの?それが50を境に一気に緩んだ気がします。

誤解のないように言いますが、これは何も「女を捨てた」というわけではなく、あくまでも自分の中での線引きが解れてきたような感覚です。
そう、無くなったわけではなく、解れてきた。

それまでは女の自意識が邪魔をして、近づきたくても近づけない、または近づかないように躊躇したり身構えたりしていた。自意識過剰だったのですね。
20代の若い頃は特に激しく、気楽に男性に声をかけるというのがとても苦手でした。
気負いなく、お互いに意識せず、何気ない世間話などができる人がとても羨ましかった。

元々人見知りなところがあって(信じられないとよく言われるけれど)、初対面の人と話すときは警戒心が働いてバリアを張っていました。特に男性には強かった。それは何故なのかよくわかりませんが、自分に自信がないとかそういうことではなく、「他人を受け入れる許容がなかった」と言った方がいいかもしれません。
人間はそれぞれに考えがあり、好きと嫌いがあり、独自の合う合わないを決めるハードルやセンサーを持っています。そのセンサーが異常に過敏だった、という感じでしょうか。視野が狭かったのだと思います。自分の中で「認めない」のセンサーがしょっちゅう作動して、殻に閉じこもることで自分の世界観を守っていたようなところがあります。今から考えると別に何の価値もない世界観なのですけれど。

それを「若さ」と言ってしまえばそれまでなのですが、まぁ簡単にいうところの天邪鬼というやつですね。完全独りよがりの天邪鬼。あぁ滑稽だこと。

その超過敏センサーは私の持って生まれた素質もあると思いますが、育った環境も大きかった。身内に「他人を認めない」人がいたので、その影響は多分にあります。もしもあの環境にいなければ、私は人見知りながらも本来の「大雑把でいい加減で“しゃぁない”精神」のままに育ち、全く違った人生を歩んでいたと思います。いいか悪いかはわかりませんが。

その元々の「大雑把でいい加減で“しゃぁない”精神」が50を境に一気に目覚めてきたのです。本来の自分に戻ってきたような感覚です。
するとどうでしょう。とても楽ちんになってきたではありませんか!
生きるとこがとても楽しく、スムーズで、楽チ〜〜ン!

そうそう、私は本当はこうして人と繋がっていきたかったんだよ。
そう素直に思えました。これは本当に大きな変化でした。
私は年齢的にはここnote界隈ではかなり上の方だと思うので、自ずと年下の知り合いが増えます。そしてそれは女性も男性も関係ありません。
逆に年上だからこそ気軽に声をかけてもらえているという自覚もあります。
ゆるっと話を聞いてもらえる感があるようです。
それは私が母になったということも大きな要因かもしれません。
母性が強いという自覚はあります。
全ての命が愛しいと思えるような。特に若い命は輝いて見えますし、大事にしたいと本能で思うところがあります。

若い頃の私には考えられませんでしたが、気軽に声をかけてもらえることって本当にありがたいことです。
「老害」なんて言葉が若い人たちの間で流行るのにはそれなりの理由があります。それを認められない人はホンモノの「老害」になっていくのだと思います。

幸い、うちには26歳と31歳の家族がおりますので、その辺りの世間一般の事情や意識を聞く機会が度々あります。その影響もあって、若い人たちの感覚的なことに自然と共感できるのだと思います。

「今それ言ったら完全にアウトだよ!」
「出たぁ〜〜!老害発言」
「頼むから外でそれ言わないでね」

などと逐一ダメ出しを喰らいます。
それがとてもありがたい。
人間、自分が知らないことの方が断然多いのだから、いつも聞く耳は持っていなければいけないなと思っています。自分以外は全てが先生。そう思っていると余計なストレスや要らぬプライドなどを持たずに済むのです。

今年も無事に誕生日を迎えられたことに感謝しつつ、このまま自然体の自分で人生を楽しく謳歌していきます。

来年の誕生日はさらに自由になり、もっと笑っています。

それではまた。

*アーカイブは下のマガジンからどうぞ。

#交換日記 #誕生日 #生き方 #エッセイ




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?