2018年8月1日(水)

八月だ。暑すぎる。もう勘弁だ。

さて、こないだの夜、娘がリビングの隅っこで、手を叩いたり、両腕を上げたり、前に進んではちょっと戻ったりしているので、「何をしているんだ?」と尋ねると、「バケのオンロ ドってんの」と応えた。

バケのオンロ? はて? 何だろうか? と首を傾げて、しばらく悩み、「オバケのオンドか?」と再び尋ねてみると、娘は黙って肯き、そのまま黙々と「お化けの音頭」らしきものを踊っていたが、たまに「ヨイヨイヨイ!」と自分で合いの手を入れたりして、ちょっと本格的なのである。

娘が自覚的かつ自発的に踊ったのは初めてかもしれない。しかも、その踊りが「サルサ」や「サンバ」ではなく、「ショキ」や「グワラ」でもなく、「ケチャ」や「ハカ」でもない、紛れもない「盆踊り」であることによって、あらためて、生まれ育った文化圏からの影響が、いかに根深いものかに思い至る。

そんな娘の踊りを眺めていると、若かりし頃、盆踊りなんてカッコ悪いと、ブレイクダンスを真似して熱心に踊っていた浅墓な自分の自己顕示欲が恥ずかしく思える。

いま、娘とともに黙々と盆踊りを踊ることで、そんな若さ故の過ちを鎮魂しつつ、蒸し暑い静かな夜は更けていく。

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