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【通勤電車の詩 vol.84】粋なお兄さんの神対応に助けられた朝

ある朝のことだった。
満員電車から解放されて混雑するホームに降り立った時、後ろから突き飛ばされて転びそうになった。明らかに意図的に押された感覚を背中で感じた。

見ると元気の良さそうな40歳くらいの男性。
今から思えばやめとけば良いのに、
「危ないですよ」
と声をかけた。
これがいけなかった。

その男性にいきなり胸ぐらをつかまれ、大声で何か乱暴な言葉を叫んでいる。
なぜかその男性は私の服を掴んで私を押したり引いたり。
私はなすすべなくこの身を揺らされるしかなかった。

すると私とその男性の間に割って入る別の男性。
歳は30歳過ぎに見える。
「朝なんだから、機嫌良くやりましょうよ」
そう言うと、さっと立ち去っていた。

あまりの爽やかさに、絡んできた男性も戦意喪失。
なんと粋な人がいるもんだ。


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