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【ありふれた日常から】パパと女の子

「パパッー」
朝の通勤電車からホームに降り立つと、女の子の声が聞こえた。
目の前のお父さんらしき男性が手を振っている。
その視線の先には、近くの歩道橋の上からお母さんに抱っこされた女の子。
欄干から、鼻から上だけをこちらに覗かしている。
出勤前のお父さんを駅までお見送りに来たのかな?

お父さん、電車が来たらどうするのだろう。
たぶん扉のガラス越しに手を振るのだろうな。
そこに先客が立っていたらどうするのだろう。
座席に座らないで窓越しに手を振るのだろうな。
電車が満員だったらどうするのだろう。
もうどうしようもない。
少女の悲しそうな顔が目に浮かぶ。

気になったぼくは、しばらくホームに立っていた。


▼毎日ふと思うこと、エッセイのような、詩のような、サラリーマンのつぶやき

「通勤電車の詩」を読んでいただきありがとうございます。 サラリーマンの作家活動を応援していただけたらうれしいです。夢に一歩でも近づけるように頑張りたいです。よろしくお願いします。