人生記、さん。~中学②~
突然の転校
夏休みに母の実家に旅行したきり、もう自分の家には帰れない。
ーーそんなことってある?
ああ、人生ってどうなるかわかんないんだな、、と
すごく他人事のように感じていました。
さらにびっくりなのは、原因。
なんと両親の離婚。
たまに(ちょっと派手な)喧嘩はしてたけど、
まさか離婚する程だなんて。
まさか、逃げ込む形でさよならを告げる程だなんて。
.
そう、父は離婚されると知らなかったのです。
だから誰にも悟られずに
母は子供を連れて実家へ帰る必要があった。
だから私も今まで過ごしてきた実家での生活が
最後になるだなんて知らされてなかった。
だから友達にも直接何も言えなかった。
私の感情はとてもとても複雑なものになっていました。
「もう友達には今まで通り会うことはできないの?」
「もうお父さんと一緒にご飯食べることはなくなるの?」
「あ、技術で出た夏休みの課題全然終わってなかったけど
もうやらなくていいのか~」
「美術の課題終わらせたけどしなきゃよかったなぁ」
「これから新しい生活が始まるんだ、よくわからないけど…」
「色々向こうに置いてきちゃったな、荷物足りないな…」
悲しさも、楽しさも、理解できなさも。
ごっちゃごっちゃのぐっちゃぐっちゃ。
その時は母の気持ちなど全く考えられず、自分のことばっかりで。
今となってはもっと母に寄り添うべきだったなって、
私がもっと大人だったら相談に乗ってあげられたのになって。
訳もわからぬまま新しい制服を作りに行って、
新しい学校に手続きしに行って。
とうとう夏休み明けには
“転校生”としての生活が始まるのでした。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?