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はじめてのHIV検査 in Paris その1

ボンジュール、皆さま。
訪れてくださってありがとうございます!
3回に渡ってパリで初体験した「HIV検査」のエピソードをお届けします。

暗くて寒いパリの冬
2020年2月、ただでさえ、暗く寒いパリの冬。
ヨーロッパの冬は、朝起きても真っ暗、昼間も曇り空で、夕方にはすでに真っ暗。太陽が圧倒的に足りない。この時期に落ち込んだり、具合が悪くなったりすると、子供から大人までお医者さんでビタミンDを処方してもらうのは当たり前。なるほど、夏のあいだ、熱中症や日焼けなんかお構い無しに思いっきり、太陽を浴びるのは、きっとこの長く暗い季節を乗り越えるいちばんの特効薬なんだ。

セビージャは至るところにオレンジの木、太陽に照らされた橙色の実が街を彩る

いざ、セビージャへ逃避行の旅
当時、悶々と仕事をこなして何とか呼吸している私を見かねた親友が、南スペインはアンダルシア地方のセビージャへの小旅行に誘ってくれた。

街中に並ぶオレンジの木は橙色の実を実らせ、家々はピンクや黄に水色と海の近い町らしい雰囲気が溢れている。東京やパリとは違う穏やかな時間の流れが心地よく、シエスタにもってこいの場所だ。昼間から、マテ貝をつまみにカヴァを一杯、休憩がけら市場のカウンターや立ち飲みバーで一休み。フラメンコの本場とあって、夜は小劇場で間近にタンゴも堪能できる。3、4日の短い旅だったが、陽気で寛大な彼女のおかげで日常を忘れてどっぷり浸れる楽しい旅となった。

あっという間に200通を超える未読のメールも今回ばかりは見ぬふりを試みたけれど、気がかりだったのは、旅の初日に突如出現した上唇横の小さいできもの。私にとってはすごく稀なこと。

ニンニクとパセリとオリーブオイルで炒めたマテ貝、やっぱりパエリアにカヴァ。

顔に突如出現したおでき
まだ私が30歳の頃、10歳下の妹と理想の外見について話していた時のこと。「全身のどこでもひとつだけお互い交換できるとしたら、どのパーツがいい?」
飲みすぎた翌朝、必ず腫れる奥二重の私は「あなたのぱっちり二重。」と真っ先に答えた。

妹はというと「うーん、うーん、あるかな?」と大きな眼で上の方を見つめながらひたすらお悩み中。数分経過して出した彼女の答えは「うーん、特にないかも!笑。」失礼極まりない態度に耐えかねた私が、交換が成立しないではないかと責め立てると、「あっ、あった、あった。肌!」

控えめな小さい唇とか、美しいフォルムの爪とか、パーツを褒めて欲しかったのに、肌ときた。何とも抽象的な答えにちょっとガッカリ…。でも、確かに私は昔から肌のトラブルだけは少ない。40歳を超えた今でも、ちょっぴり乾燥肌のところを除けば、大したケアどころか最低限のことで、今までトラブルなどほとんどなかった。ぴっちぴちハタチの妹に褒められたのだから、素直に喜べば良かったのかもしれない。

とにかく、故に顔のおできは、私にはとても珍しいことだった。しかも、少しヒリヒリ痛い上に徐々に大きくなり、さらには顔の違う場所にもうひとつふたつ。旅の最終日には発熱し、とうとうまともに動けなくなってしまったのだ。何とか帰路に着いた翌日、急いで医者へ。

続きはまた。
2023年5月21日
さぁや、パリ。

最終日は電車で少し行くとカディスの海、私はいよいよ動けず、浜辺でひたすら寝てました…。

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