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ビザ更新 | こんまりと愛の力、その2

ボンジュール、皆さま。
訪れてくださってありがとうございます!
前回からの続きです。もう1つのビザ更新エピソードをお聞きください。

こちらはわりと最近のお話ですが、私のビザはまだ不安定で一年おきの更新。さすがにもう慣れたものでと言いたいところですが、やはり毎回とても緊張します。

ファミリーネームは近藤です
今回の担当マダムは、明らかにやる気のなさそうな表情と態度で、私が彼女の前に着席するなり「J’arrive! (すぐ来るわ)」と携帯電話を片手に立ち去りました。時刻は13時、腹ペコでご機嫌斜めなのかしら?と不安に待つこと数分、戻ったマダムはお詫びもせずに「じゃ、あなたのファミリーネームは?」と唐突に始めたので、私は「KONDOです」と即答しました。すると、前回の“POWER OF LOVE💘”のマダム同様、いきなりの笑顔登場、弾む声で「あら!もしかして、あなたはKONMARIの家族なの?私、大ファンなのよ!」と。

メルシー、世界のこんまり
私は一瞬、ぽか〜んとするもすかさず「残念ながら違うのだけれど、同じ苗字なんです。彼女はフランスでも人気なんですね!」と話に乗りました。つかみは肝心です。私の書類はそっちのけで「えぇ、もちろん!私はYouTubeを観たわ、友達は本も持っているの」と続くので、「知っています、スパーク・ジョイ!ですよね?」と返すと、もう彼女はるんるん。そこでまた携帯電話をチラ見して「Attendez un moment svp(少し待ってもらえるかしら?)」とまた席を立ちましたが、さっきより丁寧な対応に一安心した私は気にならず。戻った時もやっぱり丁寧に「Excusez-moi de vous avoir fait attendre(お待たせしてごめんなさいね)。」

幸先良くスタートを切り、そのまま始終、和気あいあいとお話ししながら書類チェックが完了して、レセピセ(仮の滞在許可証)が発行されました。実は、OFII(移民局)での面倒な手続きの際にも同じく、こんまりトークになり、場が一気に和みました。正直、私はお片づけ上手でも、こんまりさんのファンでもないですし、そもそもよく知りません。でも、今回ばかりは「世界のこんまり」の知名度に、心から感謝、Merci beaucoup KONMARI san !!

フランス人の心を掴むには
オンラインでの短いチャットや会議などでの会話が増える昨今ですが、面と向かって会話する時、言葉以上に注目すべきは表情や声色、呼吸や姿勢など、からだ全体から発せられる多彩な情報量。それを察知して、目の前の相手に向けて言葉と内容を選んで伝えることでキャッチボールがグンとうまくいくなぁ、なんて意気揚々とこのエピソードをフランス人の友達に話したら「あら、凄くつまらない返しね、従兄弟なの、ほらちょっと似てるでしょ? 私も来月YouTubeに出るの、くらい言わないと!」と言われました。美味しいを“Pas mal (悪くない)”、難しいを“Ce n’est pas facile(容易くない)”と表現する方が自然なフランス人。お返事もちょっとしたユーモア(シニカルな方が尚良し)がある方がたとえ嘘でも、ずっと気が利いているのです。
次回のビザ申請では、それくらいの余裕と語学力を持ちたいものです。
2023年5月14日
さぁや、パリ。

友だちお手製のハートとお魚さんのクッキー


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