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映画館で観た新作映画Best5(2023年6月)

数えてみたら、6月は14本の映画を観ていた。観た順番に以下の通り。

改めて並べてみると
・9/14が邦画
・4/14がドキュメンタリー映画(□マーク)

この3年コロナ自粛だったことが起因してるのか、ハリウッド超大作少なし。

私の個人的嗜好の偏りゆえなのか(多分、そう。)、ドキュメンタリー多し。

■怪物
■渇水
■ウーマン・トーキング
□憧れを超えた侍たち
□ライフイズクライミング
■逃げ切れた夢
■水は海に向かって流れる
□共に生きる
■アクロス・ザ・スパイダーバース
■リトル・マーメイド
■大名倒産
□ぼくたちの哲学教室
■君は放課後インソムニア
■トゥーレスリー

そして、個人的Best5はこんな感じであった。

2回観たけどまた、みたい。ぶっちぎり1位


【1位】怪物
ぶっちぎりで良かったのはやはり、こちら。

「ああ、要するにこんな粗筋でしょ」って知った気に語る人がいると、正直イラっとする。

いや、もっと色んな意味や解釈を含んだ映画だからさ。一言でまとめるなんて冒涜だから。と熱く反論したくなる感じ(しないけど)。

人間てそんなに単純なものではないのだよ。と言いたい。

だから人生は難しいし面白いのだよと。

しみじみ、こういう一言で括れない多様な解釈できるところが、坂元裕二シナリオの特徴だと思う。だから好き。

この作品が好きすぎて、あまり多くを不用意に語りたくない。ひとりでも多くの人に映画館で、自分の目で観て解釈して欲しい(と、勝手に思ってる)。

それにしても。

カンヌで脚本賞もらって世界の坂元になっちゃったかもしれないけど、またテレビドラマも書いて欲しいと切に願う。

保存版にしたいほど良し。誰が観ても感動間違いなし


【2位】憧れを超えた侍たち
10年くらい野球場には足を運んでない。好きな球団もない。そんな私でさえも、感動したドキュメンタリー映画。

ラストもわかってるのに感動するって言う不思議。

正直いってかなり登場人物や場面に偏りあるドキュメンタリーなんだが、視聴率を意識したその選択が功を奏してると思う。

みんなが見たい大谷選手の見せ場が満載。
みんなが見たい手に汗握る見せ場が満載。

これはね、やはり作り手の勝利。

あの感動を再び味わえる、家宝にしたいような作品。

生きてく上で哲学が必要なことがわかる良作


【3位】ぼくたちの哲学教室
北アイルランドのベルファスト。

長年に渡りプロテスタントとカトリックの紛争が続く街にある「ホーリークロス男子小学校」のケヴィン校長の哲学教室のドキュメンタリー。

「他人に怒りをぶつけてもよいか?」
「やられたらやりかえす。それでよいか?」

大人でも返答に迷う様々な日常生活における問いに対する、子供達の議論が熱い。

うんうん、わかるよ。って共感したり。
なるほど、そうきたか。と膝を打ったり。
うーん。そうだよね‥と自分も即答できずに考えあぐねたり。

普段は流してしまいがちな問いに真摯に向き合うことの大切さをしみじみ感じる。

プレスリー好きで筋トレが趣味のマッチョな校長は冒頭から癖ある感じで登場。最初はちょっと身構えるが、子供に向き合う姿勢が本当に素晴らしく、自分の仕事を愛してる様がめちゃくちゃカッコよい。

みてるうちに誰もが校長を大好きになる。という絶妙なキャラ設定(というか、実在の人物)。

この人を見つけてきた人がすごいと思う。

生きる、って何かを問いかける秀逸なドキュメンタリー


【4位】共に生きる
書道家金澤翔子さんの生き様が、ひたすらに眩しい。

生まれてすぐにダウン症と診断された彼女は、母に師事し、5歳から書を始める。

めきめきと頭角を表し、20歳の時に開いた初めての個展は2000人が訪れ、大盛況。それがきっかけとなり、大河ドラマの題字を任されたり、京都の建仁寺をはじめ国宝級の神社仏閣に書を求められたりと、いまや、引っ張りだこの大人気だ。

彼女の一挙手一投足は嘘がなく、無心で真っ直ぐで、力強い。それが周囲を魅了する。

79分のドキュメンタリー映画。上映館少ないけどかなりおすすめ。じわりと知らぬ間に頬を涙が伝う。

*余談
なんと、映画を観た2週間後に高野山のケーブルカーで振り向いたら後ろの席に金澤さん親子が座っていたという奇跡(実際の出来事です)。

実際にお会いしても、本当に映画通りの素晴らしいお二人で、更に感動。

広瀬すずの神々しさにひれ伏す映画。素晴らしい女優さん


【5位】水は海に向かって流れる
残念な感じもある、惜しい映画なんだが。

主役2人の魅力が圧巻で、それだけでもおすすめしたい映画。

主演の広瀬すずの存在感と神々しさ。綺麗な人なら沢山いるけど、それだけなら静止画のモデルでよく、女優ではない。女優にはそこにいるだけで物語を感じさせる身体から溢れる説得力が必要であり、その点、彼女は群を抜いてその才がある。

改めてすごい女優さんだ。

次に相手役の大西利空。清潔感と初々しさがすごい。走るシーンが多いが、躍動感がとても瑞々しい。運動神経とはまた違う観点での身体能力(身体で語る能力)の高さを感じる。

またこの映画は画の美しさも素敵だ。広瀬すずの服装の色合わせがどれも綺麗で印象に残る。人物だけではない。風景描写の色の配分にも、作りこみすぎない美しさを感じた。

以上

6月も沢山の映画に支えられたことに感謝。映画料金は値上がりしたが、それでも2000円で楽しめる映画館は、素晴らしい娯楽だと思う。

映画を愛する1人として、ささやかな呟きを続けていきたい。

最後まで読んでくださり、ありがとうございました。

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