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No.5「ラーゲリより愛を込めて」

2024年5本目の映画は、「ラーゲリより愛を込めて」という映画です。

終戦後にロシアの収容所、ラーゲリに入れられ戦争後も戦っていた人々の話でした。

二宮和也さん演じる「山本さん」の生き方に引き付けられてばかりの映画でした。

どんな場面でも希望を見出すこと、希望は作れるということ、希望というものが人間を人間たらしめる要因だと思わされました。

きっと山本さんがいなければ、ラーゲリ内での扱いはとても人間にする仕打ちではなかったので人間にとって最後の砦である希望を抱くこともできず、真の意味で奴隷のようになっていたことでしょう。

作内では、山本さんを含めた登場人物をなんども絶望に叩き落す場面が多くありました。

それでも山本さんが希望をなくさなかったのは自分の中に確固たる意志があったからだろうなと思います。

ほかの人にとってはそれが家族でありました。その家族がなくなったことが判明し生きるのをあきらめようとしてしまった人が実際にいました。

山本さんにも家族はいますが、山本さんは家族がいなくとも希望を見出せるような人物なんだろうなと思いました。

自分の中にすがるものがある人がすがれる人たち。その人もまた強いです。

奥さんも山本さんの訃報を聞いた後、一瞬泣きながら苦しんでいましたがすぐに家のことをしていました。強い人です。やはり自分を持っていました。

それは山本さんが教えてくれたことなんだろうか。僕も人にそれを与えられる人になりたい。そのためには僕がその生き方を追求する必要がある。

山本さんが作中で言っていたセリフで皆の心に残ったであろうものは、
頭の中で考えたことは誰にも奪うことはできない。というセリフでしょう。

このセリフは、希望と直結していますね。考えることは人間らしさであり、希望は人間を人間たらしめるものです。

何度も自分だったらどう思うだろうと考えました。
信頼していた人に自分のことを売られてしまったら、目の前に手が届きそうな希望があるのに突然はしごを外されたら、苦しい中で自分を持ち続けることはできるのか。

きっと今の僕にはできません。

人のせいにするのは楽ですが、それは長い間自分の中に残り続けます。
人を許すことで事態が好転することはありますが、人を許さず恨み続けて事態が好転することはきっとないです。

負の連鎖を断ち切る勇気も学べました。

自分だけの価値判断基準を持とうと思える映画でした。

戦争系の映画って敬遠しがちかもしれませんが、見てみるとわかることもあります。実際の悲惨さはわかりませんが、映画ならまだ見れる部分もあるのかなと思うので、一度何らかの戦争系のものは見るべきだと思います。


かなり良かったです。

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