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サバ美が寝ない

寝るときは親子3人川の字。サバ美を真ん中にサンドしている。

今の寝室は和室。布団(一応羽毛)だが、硬い床に私の腰は崩壊寸前だ。以前使っていたIKEAのマットレスベット(5万円)が恋しくて仕方ないが、その話はまた気が向いたときにでも。

その日は日曜日。ダラダラしていたもので、気がついたら22時をとっくに過ぎていた。慌てて布団に入り、絵本を読んで「おやすみ」と電気を消した。

恥ずかしながらいつもはサバ美が寝るより先に夢の世界に飛んでいたが、けれど今日は昼寝をぶっこいたおかげもあり、意識がなくなることはなかった。

サバ美が寝たら酒でも飲もうと待っていたが、まぁ寝ない。びっくりするほど目が閉じない。

寝たふりをしながら薄目で様子を伺うと、我が子はずっと目を開け天井を見ていた。無表情に、ずっと。

別に珍しい風景ではないが、こういう時、子供はなにを考えているのだろうとふと頭がよぎった。


子供は大人が思うよりずっと冷静だ。サバ美に出会うまで、私は子供が苦手だった。なにを考えているのか良く分からなかったからだ。(どう接して良いか分からなかったのもあるが)

どうしてそんなことを思っていたのかと頭を巡らせると、小学校の思い出が頭をよぎった。


自慢じゃないが普通の小学生だったと思う。が、道徳の授業などでよく書かされた作文で、まるで息をするように、当たり前に「大人が喜ぶこと」を書いていたと記憶している。

別に闇深とか中二病とかそんな訳では断じてない。毎週同じように気持ちに訴えかけられる授業をされても、毎回心が動かされるかといえばそうではないのだ。だって大人でもそうだろう?毎日観るニュース番組で、毎日感動はしていない。だからそんな時は当たり障りのない感想を書いていたように思う。子供は大人が思うよりずっと冷静だ。

それでも一度、前のめりで書いたことがあるのを覚えている。いじめについてだった。


その頃、幼馴染とマウントの取り合いをしていて、自宅の郵便受けに悪口を書かれた手紙を入れられたりと結構なことをされたが、すごいものでそれが終焉を迎えた時期だった。

そんなこともあってタイミングが良かったのだろう。私の筆は饒舌だった。私が強調して書いたことは「いじめをされる側にも原因がある」だった。当時の私にとってはこれが最適解で、今まで散々「いじめはする側が絶対悪い」と言われ続けた中での新たな発見だった。ダーウィンの進化論くらいの大発見だと思った。

これはきっと何かの賞を取ると自信たっぷりに提出したが、なんの音沙汰もなかった。かなり力を入れて書いたので激しく落胆したことを覚えている。

ただ、今、私がもし教諭という立場でその作文を見た時、頭を抱えるだろうし、同じようにそっと机にしまうだろう。

これは私が多分大人になってしまったんだと思う。

もし、我が子に同じようなことがあった時、どうすればいいのだろう。想像もできない。子育てってむずかしい。

とウダウダ考えていたら、サバ美は遂に夢の中へ行ったので、私はこうして酒とともに文字を綴る。

おやすみなさい。

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