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報酬は逆効果になるケース

人は必ずしも利己的ではない、利益だけを追求するわけではない。

ある研究で、
共通の課題を二つのグループに与えました。課題を早く解けた者に報奨金を出すと伝えたグループと、特になにも伝えずに取り組ませたグループ。
結果、前者のグループのほうが課題を達成するのに平均時間が多くかかったそうです。

その課題というのが、俗に言われる答えがひとつではないもの、だったことが理由と言われています。

報酬を与えるメリットはモチベーションの向上もありますが、視野を絞り込んで集中力をアップさせることにあるようです。つまり、答えが一つ、決まった正解があるものなら、報酬は効果を出しますが、明確な正解のないものだと、さまざまな観点での見方が必要になるため、視野が狭くなると結果にたどり着きにくくなる、報酬は足枷になり逆効果になるようです。

これって、ビジネスの世界で考えると恐ろしい話ですよね。
金をチラつかせて結果が上がるのは正解のある課題であり、ことビジネスの世界では正解が一つではないものと常に私たちは向き合っています。
報酬で動く人間は、いわばやる気を出させるために金をちらつかせるわけですが、それが目的達成には繋がらないことになります。まぁ、やる気のない人間しかいないなら、金で釣るしかないのかもしれませんが、モチベーションはそれだけという人はいないでしょう。

少なくともやる気がある人間たちに、ビジネスの世界では、単純に報酬を増やすから結果出せ、は逆効果のようです。付加価値と合わせるなら話は別ですが。

その逆効果を今も変わらずにしている会社が多いようです。昔はそれでもよかったなんて時代もありますが、時代は変わりました。
物事は複雑になり、気合と根性で素晴らしい製品、サービス環境が作れるならこんな簡単な話もないです。

自分の中にある意欲でしか、決められた答えの無い課題を解き続けていくことは、できないようです。人の目的はバラバラなので、シンプルに報酬を金だけで決められる簡単な思考では通用しないのはわかりますが、逆効果になるケースもあるのなら考えものです。
ただ、だから面白いのかもしれません。

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