ドクターデスの遺産 感想 〜安楽死について

北川景子さん、相変わらず綺麗ですね〜。出演作品をちゃんと選んでて、知的なイメージが強いです。素敵✨

綾野剛さんも、感情の振れ幅の大きい役を、しっかり演じておられました。

柄本明さん、木村佳乃さん、素晴らしい存在感に脱帽!

内容としては、タブー視されている、「安楽死の是非」に斬り込んでいくのかなと期待して観ましたが、観終わってすぐの感想としては、「物足りない」、「もっと、安楽死について、『まとも人の賛成意見』を具体的に入れて欲しかったのに、結局、『反対派』を『わかりやすい正義』にしてしまってるじゃないか。。」というものでした。

でも、後からじわじわ来ました。賛成派を正義側にして、今の日本で映画を作るのは、かなり難しいのはわかりますし、、。本作では、反対派の意見を、非常に丁寧に描写していて、それが、私に安楽死について、心で感じさせてくれました。そこに、この映画の価値があるように思います。

私は、観る前は長年、安楽死賛成派でした。もちろん、ヨーロッパ諸国で認められているような、「不治の病かつ身体的苦痛が伴っている場合にのみ」です。日本では一切認められていないことに、医療費の無駄遣いや、死に方の尊厳についてのフラストレーションを感じておりました。(冷たい人間ですね。。)

観た後、少し捉え方が変わりました。「賛成するのはやはり難しいのかもしれない」と。

それは、患者本人が、死を決断する時の動機です。そこをとにかく丁寧に描いてました。

〈以下ネタバレ〉



安楽死を望む本人の動機として、「楽にしてほしい」「これ以上苦しみたくない」、これは絶対にあると思います。でも、ここを更に突き詰めたとき、「これ以上、大切な家族を苦しめたくない」「これ以上社会のお荷物になりたくない」そんな理由も見えてきます。「大事な家族を苦しめたくないから死を選びます」と、果たして死にゆく人が言えるでしょうか?おそらくその思いを飲み込んで、「本当はもっと生きたい」「もっと大好きな家族と時間を過ごしたかった」そんな思いも同時に抱えているのが自然だと、この映画を観ていて感じ、気づくことができました。


安楽死の問題を考えるとき、「高瀬舟」が思い出されます。あのお話では、家族自らが、殺してやりました。正直、殺すのも愛だったのでしょう、そして殺した後苦しむのも当たり前。故人は、家族に殺してもらえて、同意してもらえて、どんな思いなのでしょう?ありがたい?いえ、自分が死んだ後、そのことで家族が苦しむのは絶対に嫌でしょう。

死にゆく時は、孤独なんだ。

孤独な戦い。

まだ、30代。子どもも小さい。子どものそばにいたいから、死んでたまるかと思っている。死は身近な存在だけど。だからこそ。

もっと、死は自然なものなのだろうか。

もっと、死生観について学んでみたいです。






この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?