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朝のひと時

いつもは優しい笑顔をくれる店員のお兄さんがいる
地下のスタバに行っているけれど、
ここ数日は、普段より一本早い電車に乗れたこともあって、
なんとなく明るい日差しの入るビルの上階にあるスタバへ。

外が雨だとしても、朝というのはやっぱり明るくて
なんだか安心する。

本当のところ電車の時間ではなくて、
そんな風景を見たくなったからなんだと思う。

その明るい日差しが入る大きな窓からは
名古屋の街が一望できるけれど
たいてい窓際のカウンターには誰かが座っているので
真ん中の席へ座る。

それにのんびり窓の外を眺めるよりは
朝の人々を見ていたい。

なんて言いながらはじめは例の如く、私はノートを開いて
ああでもないこうでもないと考えをめぐらせていた。

ここは向かいにパン屋やスープ屋さんがあるからか
冷蔵庫の機械音のようなものがしていて、
店内に流れるBGMと溶け合ってちょうど良い。

いつもの優しい笑顔のお兄さんはいないけれど
ここには可愛い笑顔の男の子の店員さんがいた。

その可愛い笑顔に、私はお姉さんらしく涼しい顔を作ってみたけれど、
その後「違うな・・・」と思ったのは
ふとノートから目をはずし、レジの方へ視線を向けたときに
そこにいたお客の女性とその店員さんのやりとりを見たからだ。

黒のエプロンをつけた髪の長い50代くらいの女性。

花屋さんで働いているってイメージがぱっと浮かんだ。

その女性が男の子と楽しそうにやりとりしているのを見て
なんだか微笑ましい気持ちになった。

そこでコーヒーを飲んでいくわけでもないから
ほんのわずかな時間だけれど、
そのわずかな時間が今日の元気をくれるんだろう。

そしてそれはきっとお互いにそうなんだと思う。

いい時間だなと思った。

その様子を眺めながら最初は単純に
私もあの女性の年齢くらいになったら、
こんな時間が持てたらいいなと思った。

自分の息子も同じくらいだったら
その笑顔になんだか安心感に似た気持ちになれるだろうし、
娘がいたら可愛い男の子がいるわヨと教えてあげるだろう。

でもよく考えてみれば今だって
私は自意識過剰に何かの役を演じて見せなくてもよくて、
ただ素直に感情を出してもいいんだ。

笑顔をもらえればやっぱり嬉しいから、

素直に笑顔で返せばいい。

こうやって書いてみれば本当に単純なことだ。

大人になればいろんな場面でそれぞれの役割にあった顔がある。

あまりにそれを意識していたせいか、
そんな中でいつの間にか置いていかれちゃったんだろう。

ついついまず考えてしまうけれど、そうじゃなく感じるってこと。

表面で起こっている出来事や情報に揺れ動いた気持ちで
ただ行動しているけれど、
本当の意味で自分を大切にするってどういうことなのか。

「本当の気持ち」

でもまずはちゃんと自分が力を抜いてもいい場所を探そう。

ふっと力を抜いたら、自然と笑みがこぼれるだろう。


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