命と向き合うこと

私の人生の節目には必ず「命」と向き合うことがある

昨晩、元芸妓時代の後輩から連絡が来てとってもお世話になっていて、可愛がっていただいた大好きだった姐さんの突然の他界。

ちなみに、「元芸妓」ということは、

わたし自身、25歳から35歳まで10年間、朝からお稽古に始まり、夕方からお座敷が始まり深夜、明け方まで、、、花柳界の世界で人生のほんと様々なことを学ばせていただいた。

30歳で独立し、沢山の先輩方々に支えらて生きてきた。

19歳の時に着物のモデルとして国内外でお仕事させていただき、海外で働こうと思っていたわたしにとって語学ができても自国を知らないこと、そんな自分に違和感を感じ、日本の文化や伝統芸能の世界に魅了され、25歳の前も日本文化の世界にいたが、あることをきっかけに花柳界の世界に入ることに。。。(この辺りは長くなるのでまた改めて・・・)

まあ、話は戻して・・・

家族のような存在の急な訃報。

あまりにも元気な姿しか見ていなかったから、未だに受け止めれないけれど、現実はそういうこと。。。

78歳。

たまたま、今年のお正月の時に、動画の撮影で裏方で入らせていただき本当に久しぶりにお姐さんたちにご挨拶できた!と思ったらまさか、これが最後になるとは・・・


りつこ姐


りつこ姐2

33歳の時、有り難くも、その姐さんの後任としてお囃子のお役をいただくことになり、大役に恥じぬようにとお稽古頑張っていたけど、お稽古はじめ、この先、60、70までお獅子のお囃子役やらなきゃならないのかな・・・とか考えたら、いろいろ言い訳したくなり「わたし、結婚もしたいし、子どもも欲しいから別の若い子のほうがいいんじゃないですかぁ?」なんて女将さんに冗談で話していたら・・・

なんというタイミングか天の計らいか、お稽古はじめ2ヶ月目くらいになんと第1子の「命」を授かるという、恐るべし引き寄せ。

本当は大好きなお囃子と大役努めたいけど、内心35歳までには出産したかったから非常に複雑な思いで、大役を泣く泣く辞退し、そして、私は第1子の出産を機に、大好きだった芸の世界を離れたけれど、気が付けば、そんな裏ストーリーがあるからこそ、お姐さんがあれからずっと変わらずにお獅子のお囃子をされ、こないだも舞台見れたんだ。。。と

もし娘が天からやってこなかったらお囃子は私がやっていたし、もしかしたら今も芸の道にいたのかもしれない、そう思うと本当に不思議・・・

今思い出すのは若手芸妓衆と変わらずに、いやそれ以上に面白くて、働き者で、元気印のお姐さんいるだけで若手はただただ安心感。

特に、花柳界は、ただただアナログな、お稽古の音源もカセットテープ使うくらい、伝統が口伝されている世界だから、78歳まで現役で大活躍されたお方が天に召されてしまうことは本当に惜しいこと。。。

ただ、一つ言えることは

肉体はこの世のお役目は終わられたけれど、いつも必ず、私たちを良き方向へと導いてくれるということ。

「死」はもう二度と会えないし、話せないし、存在は消えてしまい、確かに悲しいこと

「死」は残されたものたちに「命」「生き方」「健康」という人間にとって一番大切テーマを深く気付かせてくれるから、悲しいだけのものではないということ

彼女の突然の死は、このタイミングで私たちに何をメッセージしているのかな、、、

過去に出逢い、時を共にし、今、残されたものの一人として今日もまた自分の命、命の使い方、を真剣に考える

(下の写真は、未来の伝統芸能を担う頑張っている後輩たち)

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