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みつしり、が怖い『魍魎の匣』京極夏彦

京極夏彦『魍魎の匣』
分厚いミステリ。

私にとっては
「とにかく怖い」

作中、「みつしり」という言葉が度々使われた。
私は、このみつしりが怖い。
怖くて怖くて気持ち悪い。

みっしりーみつしり
これだけのことなのに、すごく息苦しく感じる。

あぁ、息継ぎを忘れてしまう。

あの忌ま忌ましい隙間風は、実は必需品だったか。
と、登場人物/木場による語りがあるが、その通り。隙間風が恋しくなる。

余白が欲しい。
塗りつぶさないで。

と思ってしまう。

こんなたわいもない事で、怖いなんて、私もよっぽどヤられてる。
気持ち悪い、と思いつつも何周も読む。

何度も
何度も
みつしり
みつしり

読後も重い。

頭の中にモヤモヤが溜まる。
スッキリしなくては。
自ら窓を開けなくては。
風を浴びなくては。
冷たい風が欲しい。

読んで読んでモヤモヤして、風を浴びるまでが、「私の魍魎の匣」の読みかた。

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