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【小説】恋の幻想

3人で食べ物を食べると、何故か温かい気持ちになる、同じ釜の飯を食うっていうけど、同じコンビニ弁当でも良いのかもしれない。

静かに食べて、お茶を飲む、片付けたら、何処に出かけよう、自分の行き先を考える。

「俺出てったら鍵を掛けておいて、女だけだと危ないだろうからね。」夜になってから泊まれるところは少ないから、今日はネットカフェに行こう。

「申し訳ないです、私が来てしまったからですよね。」と女の子が言ってくる。

「違うよ、こっちの気持ちの問題、1人で駅に居る女の子を放って置くなんて、寝覚めが悪いでしょ、ちょうど裕子も居たし、二人で寝てよ。」そう言えば2人分の布団あったかな、今更如何にも為らないけど。

「有難うございます、朝になったら出ていきますから。」まあ明日は休みだし、話を聞いてからにしようかな。

「気にしなくてもいいのよ、この人とんでもなく人が良いから、だから私が今も変な女に引っかからない様に見に来ているの。」裕子が自慢げに答えている。

「そのいい人との婚約破棄したのは、何処のどいつだ、お前が言う話じゃないんだよ。」ちょっとイラっとして反論した。

「その時はそれが良いと思ったし、あなたもそれでよかったでしょ。」結果的には言う通りなので、反論は出来ない。

「布団2組有るかどうか確認してないけど、無かったら二人で何とかして。」そう言って於いた。

「大丈夫です、私床でも眠れるので。」と女の子が答えてくる、そう言えば名前さえ聞いてない。

それでも食べ物を一緒に食べると安心するのは何故なんだろう、人間は食べると共有するものが大きいのかな。

「床に眠らせるのなら、裕子の方が良い、身体が丈夫だからね、」返しておく。

「なんで私が床で寝るのよ、布団が一組しか無かったら、一組の布団で2人で寝ればいいじゃない、二人とも太ってないし、ね~。」そう言うと思ったよ。

「ありがとうございます、でも狭くないですか、本当に床でも大丈夫ですよ。」

「気にしないで、それに私夜中に寝込みを襲ったりしないから、そこも大丈夫よ。」と裕子。

「寝込みを襲うって。」吹きそうな顔で、裕子を見つめてる、この女の子の笑い顔を始めてみた。

こんな風に笑えるんだな、人間の笑顔は自分の気持ちの表れかもしれないが、他人を安心させるののには一番の物だ。

明日どんな話が有るかは知らないが、こうやって笑って話が出来ると良いな、本人じゃなくて周りが安心するために、これは自分の欲望だ。

 

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