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入ってみてわかった、社会人劇団のリアル

私は劇団スリークォーターという団体で、現在、研修生として活動しています。
2年に一度の大舞台、本公演を11/2-11/4に控え、ラストスパートをかけているところで、なかなかnoteを更新する暇も作れないくらいだったりします。

「スリークウォーター」=「4分の3」。劇団員以外の客演の役者さんやスタッフさん、お手伝いさん、そしてなにより劇場に来てくださったお客様と共に「1」になることを目指している
(劇団webサイトより)
という素晴らしいコンセプトです。
大学生の時からのメンバー3人が幹部で、社会人劇団として13年もやってて、今でもこんなに毎度公演しているところはなかなか他にはないはず。
つかこうへいさんの事務所から特別に作品の使用許可を得られているのも、きっとこういうバックグラウンドあっての話だと思います。

公演の宣伝をするにしても、こういう劇団そのものの個性がどこからも伝わってこないような気がして、いちマーケターとしては、とても勿体無いと思っています。
何年も続けてるブログだったり、真面目に更新してるサイトだって、価値のあるコンテンツです。

ちなみに研修生という私の立場は、ワークショップ参加からの公演を経て、劇団員になるまでのひよこみたいな段階で、今後劇団員として活動していくかは、個人の意思次第だったりします。
そんな社会人劇団の大きな特徴、ってなんとなく知っていたのですが、
実際にリアルに感じたことを書いてみたりします。※あくまで個人の感想です

1.とにかく時間がない


「社会人」劇団と名がつくだけあって平日は当然みんな働いています。
(多分)全員フルタイムで、うちは働いてない人は入団資格がありません。

よって稽古は全て休日をフルフルで使ってやっていくことになります。
本当に朝から夜まで…

じゃあ平日は台本読みや演技の練習に集中できるよね♪
と思っていたら全然甘いのです。

社会人劇団の特徴といえば、衣装から小道具から舞台美術まで、そのほとんど全てを自分たちで賄わなければならない、ということです。
0からセットを構成し、必要なものをリストアップして、みんなで延々協力して作っていくのは、本当に大変。
前回公演は初回ということもあって、やることも限定されていたのですが、想像以上に膨大な作業量のため、平日持ち帰りでやることもザラです。
特に今回の公演は着物での衣装が中心になるので、(超苦手な)縫い物等もたくさんあります。

2.とにかくお金がない

そんな作業も本当は自分の仕事であれば一切外注したいところなのですが、劇団の予算は限られています。
うちは団費は明朗会計だし、誰でも参加できる良心的な価格設定で、その点とても信頼できる劇団。一番ダメージが大きいのは毎週練馬まで稽古に通う交通費なんじゃないかと思うくらいです。

もちろん、自分たちで公演を作っていくという意味でやっていることもあるんですが、
正直なところ時間をお金で買うのも手なのかなと思うこともあります。

また、商業劇団のように公演中に道具をセットしたり片付けたりする黒子もいないので、何かと当日準備も複雑になってしまいがちです。


そんなわけで、演技をすること、舞台に立つことの楽しさを噛み締めながらも、またその厳しい現実をビシビシ感じているのも事実。
私がもともとこの世界に足を踏み入れたのは、話や態度、体で表現することの難しさを抱えていたからで、はっきり大きく話したり、伝えたいことにちゃんと向き合いたいと思ったから。
その一つのきっかけが演劇だったわけです。

発声や殺陣などの基礎稽古があれば今後も参加していきたいのですが、今回で舞台に立たせていただくのはきっとこれが最後。
日々身を削りながら残り10日、後悔のないように全力でぶつかるしかありません。


公演のお知らせ

最後になりましたが、そんな私たちの渾身の公演がいよいよ10日後に迫りました。
今回は10年近く劇団を率いてきた2代目代表、藩地真世さんの引退公演でもあります。
わたくし、有原瑞稀も出演していますので、観客席から一緒に舞台をつくっていきたいというかた、演劇の世界に興味があるかた、ぜひぜひご来場お待ちしています。

詳細・ご予約はこちらから!
http://3quarter.com/disco/kagebasami.html


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名前の由来

図解でコミュニケーションを変えることをミッションにここ3年くらい活動