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2日連続で行ってしまったよ、イヴ・サンローラン展

もう昨年のこと。
「イヴ・サンローラン展 時を越えるスタイル」
今さらですが、12月上旬、国立新美術館に行ってきた。


とりあえず、サイコーだった。
順路を進むほどに現れる憧れのメゾンの華やかなドレスに魅せられる高揚感と、静かな空間で次々と美しいものが視界に入る美術館ならではの心地よさに、なんと2日連続で観覧してしまった。

1回目の観覧から帰った夜は、冷めやらない興奮でなかなか眠りにつくことができず。
ベッドの中で、この気持ちを整理するにはどうしたものか?と思いを巡らせ、「明日も行こう、そして冷めるまでそこにいよう」と、せっかくの連休をサンローラン展に費やすことになったのだ。



会場に入ってまず印象的だったのが幼少期に描いたデッサン画。子どもとは思えない女性のボディラインへの忠実な理解に驚かされた。そして21歳でDIORのデザイナーとして鮮烈にデビューした経歴に、特別な才能を持つ人として憧れの眼差しを向ける一方で、「なんだ、結局天才なんじゃん」とちょっと冷めたような、引いたような気持ちになったのが最初の正直な気持ちになった。別に、努力の人であることを望んでいたのではないのだけど、なんとなく、凡人にありがちな嫉妬心からか。

しかし、そんなことで一瞬でも冷めてしまいそうになった自分をすぐに反省すること。順路の先には圧巻のドレスや、当時の女性にとっては先進的なファッションとなるパンツスーツやピーコート、トレンチコートなどが、着せる展示によりリアルな姿で現れる。その数は100体を超える。男性のためのものであったお洒落やファッションを女性に合わせたスタイルで提案し、私たちの生活をより心地よいものにしてきてくれたこと、彼のアイディアの普遍性を実感した。「やっぱり敵わないな、天才…」と感服する思いに浸り、私たちが暮らす今を作ってきてくれた天才に感謝の念さえ湧いてくる。



誰かが作り上げてきてくれた歴史や文化の延長に生きているのだなぁと、自らのファッションや暮らしのスタイルを振り返る機会にもなった。
まさに「スタイルは永遠」であることが心に残る展覧会だった。一生展示してて欲しい。

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