生まれた意味を求めて
オギャーと息を吐いて始まり
静かに息を吸って終わる
生まれて
生きて
死んで逝く
始めは吐き
終わりで吸う
息を引き取ると言い表す
吐くと吸うとの狭間で
生まれた意味を
悟れるか──
☆☆☆
こんにちは!
フジミドリです♡
三か月のご無沙汰でした。
お元気でいらっしゃいますか。
今日から新シリーズです。
【癒や詩絵物語】
道術家の私が、見聞した現象から感じたまま千字ほどの詩と物語へ組み直し、朔川揺さんの絵に添えてみました。
創作の背景など、揺さんとお喋りしつつ別サイトに、木曜の朝9時公開です。
6月9日までの日曜午前10時。おつき合い頂けましたら嬉しいご縁でございます。
では早速──
☆☆☆
西暦2020年代の太陽系第三惑星である。
文明は一見進歩したようでありつつ、奇妙なことに、人生の意味つまりどうして生まれたのかという目的が見失われていた。
地球人の大半は人生の意味を知らないのだ。親が知らなければ子は道に迷う。迷った子がいずれ親になり、そしてまた──
病気と老齢を厭い、若さと健康ばかり追い求め、迫り来る死の不安に怯えていた。
企業はひたすら競争。果てない闘争。国同士も損得で取引。民の利など考えなかった。
豊かな暮らし、才能が活かせる自己実現を、という誘惑でSNSは賑わう。失敗者があっての成功だから、大多数は夢破れ負けるのだ。
負けたと思えば幻想世界へ逃げ込む。
刹那の娯楽に身を委ね、人生の意味など探ることなく、そのうち朦朧と混濁して──
☆☆☆
『人生は映画だね。始まったら終わりまで止まらないのさ。いつか死んじまう。エンディングはもう決まっているんだよ』
『む。待てよ。そっか。同じ映画でも、監督や俳優と観客じゃ、観方は違ってくるな』
『人生が変えられると思えば、何とかしようと悩んで苦しむ。でも、どう観るかって観方はまだ決まってないんだからね』
『どうしてこんな映画にしたんだろうとか、次はあんな映画がいいとか、あれこれ考えられる。そこに生まれた意味があるのさ』
☆☆☆
わたしが生まれた時
父と母は喜んでくれた
泣き声を上げる赤ん坊
父と母が笑っている
そして時は流れ
父と母を見送る息子が
こみあげる別れの涙を呑む
父と母は
眠るように
静かな笑顔で
旅立った
きっと
心地よい暮らしが
待っているのだろう
☆☆☆
お読み頂きありがとうございます!
次回3月31日午前10時公開予定です。
是非いらして下さい☆
ではまた💚
ありがとうございます🎊