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自己開示によって安心の場を紡ぐ

Safeology研究所の田中です。

前回、山川さんが物理学研究室におけるフラットな議論を紹介していました。私も元々物理学を専攻していたので、とても共感するのですが、一般的には珍しい場のようです。そのため、学会以外の対話する場では、自己紹介する際、大学教授という肩書きを使わないことが多いです。私自身はフラットな気持ちでも、権威を感じる方もいるためです。

1週間ほど前、名古屋にて合意形成に関する研修会に参加しました。その際のチェックインでも、「福井県から来たこと」「この会場へ久しぶりに来て、ただいま!という安心を感じたこと」等を伝え、肩書きは言いませんでした。ちなみに、対話の場では「ようちゃん」というニックネームを使っています。

合意形成ワークにて対話を行っていた途中で、一人の参加者から「ようちゃんの問い掛けが説得に感じた」と言われ、私も問い掛けの真意(私の思い)を答えました。このやり取りから、チームの心理的安全性が増し、対話が深まりました。その後、ワークの途中でしたが、私も自分の肩書きを隠していた思いと過去のエピソードを伝え、より親密になれたと思います。

このように、目に見えにくいプロセス(感情、思考、価値観等)、特に、いまここに感じた感情をチームに開示することは、心理的安全性の醸成に重要だと考えています。

話は変わりますが、この研修会の1日前、金沢で開催されたmiletのライブへ行きました。このライブに参加し、良い意味で彼女のイメージが変わりました。デビュー当時、何気に聴いた曲と歌声にイイネ!と思っていただけで、miletの言葉をよく聴き取っていなかったことを痛感したのです。

最新アルバムのタイトルは「5am」、つまり朝5時です。

miletは、引きこもりで不眠症のときもあったそうです。その頃の朝5時は、次の日が来ることへの不安や孤独を感じる時間。しかし、その後、音楽活動など、いろいろな経験を経て、前向きな楽しい朝5時も迎えたそうです。

もちろん生の歌も良かったのですが、曲間のトークでの自己開示によって、miletの世界観に引き込まれ、会場が一体感に包まれた気がしました。

ライブの最後に歌った「Living My Life」を歌詞も含め、一度聴いてみてください。

文/田中洋一(Safeology研究所研究員/仁愛女子短期大学教授)

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