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「安心」がなぜ大切なの?

Safeology研究所の山川です。

2回目のnoteの記事では、なぜ「安心」が大切かに関して説明します。

私の研究テーマが「自律的学習者をいかに育成するか」であることは1回目に説明しました。学習を面白いと思い内発的動機から自ら学ぶ学習者であるためには「安心」が重要な要素となる、という点が今のところの私の仮説です。

自分で好奇心を持って外の世界を探索に出かけるためには、自分の中に「安心」がないと難しいのではないかというのが、そのポイントです。これは、心理学者のボウルビーらが愛着理論(Attachment Theory)の中で提唱しているように、幼児期に養育者が安全基地(Secure Base)になっていると、そこをよりどころとして、外の世界に探索に出かけることができる、というところからの発想です。

幼少期に安全基地を体験した幼児は、大人になった際、もう安全基地としての養育者はいませんが、その安全基地を内部に「安心」として取り込んで、そこをベースに外部に探索に出ていけるのではないでしょうか。

以上が、Safeology研究所が、自律的学習者を育成する上で「安心」が重要と考えている理由です。そして、この安心さは、健康や創造性にも影響を与えているのではないかと考えています。

医学の分野では、安静時の心拍数がある一定を超えると、様々な疾患が出てくる可能性があることが指摘されています。交感神経が活性化すると心拍数があがり、副交感神経が活性化すると心拍数は下がります。安静時には通常副交感神経が活性化し、心拍数はある程度下がるはずですが、それが一定以上ということは、安静時にも交感神経が活性化したままということを示唆しています。副交感神経が活性化した際、私たちの身体はメンテナンスモードに入りますが、安静時にも交感神経が活性化したままだとメンテナンスが行われず、様々な疾患につながるる可能性があります。「安心」を体感することにより、副交感神経が活性化しやすくなり、健康にも良い影響を与えることは容易に想像できます。

最後に、創造性に与える「安心」の影響ですが、いろいろなアイデアを自由に出そうとする際、「安心」は重要です。デザインの世界では、自由にアイデアを出す場合、自分の常識を一旦外して、普段とめている思考にも居場所を与え、そこから発想を発展させるという方法を取ります。そして、普段自分を止めているものを意識するために「安心」が重要ではないかと考えています。

健康と創造性に対する「安心」の重要さは、まだ仮説にもなっていない妄想の段階ですが、Safeology研究所では、様々な実践を通して「安心」にアクセスする中で、学習への効果だけでなく、健康や創造性への効果も確認していく予定です。

                  文/山川修(Safeology研究所代表)

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