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インタビューの書き方を知る

〈はじめに〉
※これから語られる言葉は少し長いかもしれませんが、なんども読み返してください。
※できれば声に出して読んでください。文章のリズム、語感がしぜんと身につきます。

今回はインタビューの書き方を知る、がテーマです。もっとも、「書き方」といっても、実際にペンを動かして文字を書くまでの態度、アプローチのしかたを考えることがとても大事だ、ということに変わりはありません。これまでの講義を通して、学んできたことは、「書く」という作業の前に、「しっかり考える」ことの大切さでもあります。

 インタビューの書き方を知るために、段階を三つに分けてみます。最初の段階は、そもそものインタビュー取材から記事が完成するまでの工程(過程)を整理します。だれかにインタビューする、という作業そのもののスキルを身につけることも大事ですが、インタビュー取材を実現させるための、全体観をもっておくことも、同じように大事です。

 次の段階では、インタビューの具体的なスキルについて学びます。インタビューの相手とは初対面であることが多いでしょうから、どんな相手であっても、ある程度の結果(記事になるような聞き方)を出せる対応力を持っていることが大事です。もちろん、相手のキャラクターによっては、オーソドックスな対応の仕方ではうまくいかないこともあります。けれど、インタビューの基本、オーソドックスを身につけていればこそ、応用力が磨かれるというものです。

 第三段階では、インタビューをするにあたっての心がまえのようなものと、インタビューが終わって、原稿を書く段階になっての心がまえのようなものを学びます。そもそもの企画意図がインタビューの中にうまく入っているか。インタビューで引き出した相手の言葉は、誌面になったときに使えるのか。コラムも参考にしながら、考えてみましょう。

 インタビューは、一つひとつの段階が重層的につみあがって形になるものですから、いま自分がどの段階にいて、いま自分がいる段階ではなにが必要なのかをいつも把握しながら作業をするようにしてください。大事なことは、大きな流れと、小さなポイントのバランスを、落ち着いてよく考えながら、ていねいにこなしていくこと。ゆっくりでいいすから、確実に積み重ねていくようにしましょう。

 それでは、具体的に三つの段階を確認していきます。

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