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ローマンカモミールにミズナと小松菜跡の畝を占拠させてもよいかもしれない他

僕が野菜づくりの師匠のところに弟子入りしたのは、2002年の事だったので、既にそれから20年以上が経ったことになります。

当時、すぐに試してみたのが、ローマンカモミールなどのハーブを野菜の畝間に植えれば、雑草が繁茂する余地がなくなって、草取りの手間が要らなくなるんじゃないかと言う発想でした。

近くの農家さんの畑の一角に赤シソが繁茂していて、そこにあまり雑草が生えていない、つまり、赤シソがその場所を占有して、雑草が繁茂する余地がないと言うのをみて、ヒントを得ての発想でした。

実際に、トマトの畝間にローマンカモミールを植えてみると、夏場はトマトを圧迫する勢いで育ちました。

雑草が生える余地はなくなったかもしれませんが、代わりに「ハーブの雑草化」が起きたわけです。

その後、刈払機を使うと、多年草や地下茎タイプの草が中心になってくる、つまり、刈払機を使っても多年草の根や地下茎タイプの草の地下茎は生き残るので、そう言う草がまた生えてきて、他の草が生える余地がなくなってくる・・・

そう言う状況を目の当たりにしました。

ヨモギとかコウゾリナとかアシとか、その手の草の地下茎を掘り起こす手間を散々味わって、改めて、ハーブについて考えてみて、

そっか、夏場、野菜の生育を邪魔するぐらいにハーブが育ったら、ハーブを刈払機で刈り倒しちゃえばいいんだ、多年草ハーブはまた生えてきて、他の雑草が生える余地をなくしてくれるだろう・・・

つまり、ハーブ+機械力の導入と言う組み合わせでいけば、けっこうイケるんじゃないかと思ったわけです。

それで、昨年、畝間にローマンカモミールを植えてみました。

今年になって、ローマンカモミールを植えた左右に、ミズナと小松菜の種まきをしたので、ミズナと小松菜の畝間にローマンカモミールが育っているような形になりました。

ローマンカモミールはミズナや小松菜の畝近くまで茎を伸ばし、旺盛に育っています。

このままいけば、ミズナや小松菜の生育を圧迫するか?と言う時に、ミズナは徐々に花芽をつけだしました。

その後、折からの大雨で畑が冠水し、ミズナはかなりやられて収穫できるような状態ではなくなりました。

小松菜は冠水した葉の内側に新しい葉をつけだし、冠水葉を取って、内葉だけなら、どうにか、「地元野菜宅配サービス・野菜のマイクロマーケット」のセットに入れられるぐらいの状態にはなりました。

ただし、それは1週間だけのことで、その後、気温が上がって相当虫食いが発生し、いくら無農薬だと言っても、さすがにセットに入れるのは気が引けるような状態になってしまいました。

一方、ローマンカモミールは冠水にも関わらず相変わらず旺盛に育っています。

冠水は不慮の出来事ですが、今年の事例は、一般化して考えても、「ハーブ草生農法」の技法として「使える」やり方のヒントになっているのではないかと思います。

つまり、小松菜やミズナのような春の葉物類の畝間にローマンカモミールのようなハーブを植えておく、

ハーブが旺盛に育って、野菜を圧迫するようになる前後ぐらいに、春の葉物類の収穫期が終わる、

その後は、ハーブを放置して、葉物畝を覆うぐらいに育つようにしてしまう・・・

そうすると、とりあえず、春葉物類だった場所での夏草の繁茂は防げる・・・

場合によっては、刈払機でハーブを刈ることも考える・・・

こういうやり方でいけば、夏草の草取りの手間を減らす事が出来るのではないかと言うことです。

考えてみると、師匠のところで実習中に実験したのは、トマトの畝間でした。

露地トマトは夏場に収穫するもので、トマトの生育期間にローマンカモミールがトマトを圧迫することになりました。

春葉物類なら、収穫期の後、畝にローマンカモミールがはびこっても差し支えないわけです。

こういう風にハーブならハーブ、もしくはイヌムギのような越冬性・叢性多年草や、シソのようなものを用いて、野菜の生育を邪魔するような雑草の繁茂を防ぐ技法においては、

ハーブ、イヌムギ、シソ等の植物単独で考えるのでなく、野菜の生育・収穫期、刈払機など他の技法との組み合わせを考えていくと、草取りの手間を減らす方法が見つかるのではないかと思われます。

2週間予報は、夏至以降、少し雨が降る日があるとしています。6/23以降、ほぼ連日、最高気温30℃以上の真夏日になるとの予想は消え、27℃-28℃ぐらいの日が交互に来るとのことです。

夏野菜について、10℃以上有効積算温度、最高気温マイナス10℃の積算値で収穫期が決まるとの考え方があります。

例えば、トウモロコシは品種によりますが、10℃以上有効積算温度が1000℃ぐらいで実るのだそうです。

野菜も含めた日本の植物の多くは、気温5℃以上ぐらいで光合成を始めるそうです。

光合成は午前中に行われる事が多く、最高気温はお昼すぎから午後2時頃までに観測されます。

つまり、最高気温10℃以上ぐらいにならないと、午前中、光合成が進む時間帯に5℃以上にならないので、10℃以上有効積算温度の考え方は「合理的」だと言えます。

さて、現状は、最高気温が例年より2℃-3℃高い状態で推移しています。1980年代頃と比較すれば、もっと高い水準にあるかもしれません。

仮に3℃高いとすると、10℃以上有効積算温度は1ヶ月で約100℃高くなります。

連日最高気温15℃だとすると、10℃以上有効積算温度は1ヶ月間に150℃程度、20℃だとすると300℃程度です。

25℃なら450℃、30℃だと600℃です。

例年4月まきしているものは、4月=連日15℃、5月=連日20℃、6月=連日25℃、7月=連日30℃とすると、

7月末時点での10℃以上有効積算温度は、150℃+300℃+450℃+600℃=1500℃です。

一方、6月まきしたものについては、例年なら7月末時点で1050℃ぐらいですが、今年については、1250℃ぐらいになるでしょう。

もちろん、各月とももっと複雑な気温変化をしていますし、日照時間、日長時間も関係するでしょう。

ただ、それでも、「単純計算」の結果は、高温化している今年については、時季遅れでまいた夏野菜が7-8月の収穫期に「追いついてくれる」可能性がある事を示唆してくれているように思います。

冠水して駄目になってしまった野菜とか、この間、発芽不良だったゴーヤやツルムラサキのリベンジ種まきを進めています。ゴーヤは発芽してきました。

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