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無色透明の空に色を足せるように

無色透明の空に色を足す
空気は冷たく、私の空白の時間をあざ笑うようだった
時間になれば影が生まれ私の鼓動を壊していく
留まり続ける私の影は難問が解ける快感とは程遠いところにあって
また空を見上げ無色透明の空を眺める

昔公園の砂場で作った砂のお城は夢中で楽しめた
でもその砂のお城は一瞬で崩れ去る、私の物語りのように
今度は私から音も取って、私は無音のまま窓の外を見る
言葉では計り知れない思いが私に影を作っていく
このまま私は影の影となり、もうどっちが私かわからなくなって
いっそのこと目覚めないまま夢の中で眠りにつきたい

だがまた時間になれば呼吸をするように影がくる
聞く耳持たない影は私の声を無視して夢の中へいざなう
霞む目は眠りの中で涙を流しては無色透明で無音の夢の時を刻む
静寂は慣れない、消えない思い出はあの砂のお城だけ
それだけで十分

この無音の世界を沈黙と捉えるならばそれは無音ではなくなる
生への溢れる思いは砂場に埋める
光は遠く影は近く、小さな私は静かに空を見上げる
雨が降り続く影の時間、私の声はもう届かない、無音のせいか雨のせいか
影が雨の中傘をさし、誰かと会話をしているのが見えた
影には目がない、そうか私が取ってしまったからだ
目が怖い私は目がないほうがいい

部屋の隅っこで夢の続きを見る、そろそろ時間だから
影が形を変えるようにこっちへ来た
私は影に沈むように重なって
そして夢が覚める
今度こそ無色透明の空に色を足せるように

あとがき
この詩は、二重人格の主人公が影と入れ替わる瞬間を描いた作品です。現実世界では空が無色透明であり、主人公は自己の不在や虚無感を感じています。彼女は色を足したいという願望を抱きながらも、それに対する怖さや躊躇が存在します。

物語の中で、砂のお城は主人公の内面の脆さや不安定さを象徴しています。砂のお城は一瞬で崩れ去るように、彼女の自己像も不安定で壊れやすいものであることが示唆されます。

影と入れ替わった主人公は、心の部屋の窓から影を客観的に自分自身として見つめることができます。窓から外を見ることで、彼女は自己の内面にある葛藤や闇を映し出す影を見つめることができます。この過程は、主人公が自己理解と内面の葛藤に向き合う旅を示しています。

主人公の内面の葛藤や孤独、そして自己探求の旅を通して、人間の複雑さや闇を描き出しています。一番伝えたいことは、内面の葛藤や孤独、そして自己探求の重要性です。主人公が影と入れ替わる瞬間を通して、彼女の内面の葛藤や不安、そして現実と夢の狭間で揺れ動く心情が表現しています。他者とのコミュニケーションやつながりの重要性を考えました。

※彼女が言う色を足したいという言葉は、現実世界だけでちゃんと生きたいという自分の色のある人生を送りたいという思いを込めています。

言葉の羅列から生まれるストーリー

無造作に無作為に言葉を羅列する
そのままの順番でストーリーを作る
今日はこの羅列↓↓↓

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