見出し画像

誕生日嘘をついたページ/記憶の日記

「こうじさん、お誕生日おめでとうございます」
ふみさんが今年も誕生日を祝ってくれる。本当に僕は幸せ者です。
だけれど、彼女は僕を見ているけれど見ていない。
あなたは誰を見ているんだろう。

日記の一行目。
彼女の大切な人が自分ではないことに気が付いた。

手に持った彼女の日記の1行目。
誰か分からない想い人への一行目を、震える指で一文字ずつなぞる。
本当は知っていたし、わかっていた。けれど、彼女が彼女を演じる限り、僕は僕であるべきだとそう思う。

もう僕は知らなかった世界へ戻ることは出来ないけど。
だけど、この嘘を超えた場所で見ないふりをして君の嘘に包まれたい。
彼女の笑顔の裏側を知りながら、愛を抱きしめる。

それがこの切ない現実を生きる唯一の方法だと、僕は知っている。

あとがき
切ない愛の詩です。彼女はいったい誰を見ているんだろう。僕ではない誰か。それでも君がここにいる理由は何だろう。聞いてしまう勇気はないけれど、ただ僕はこの瞬間を共に居れるだけで幸せだ。
そんな悪い女につかまった彼。
見た目はそんな詩ですね。それでも十分です^^
切なくて儚くやりきれない気持ちの詩。それでもエモいですね。
では、彼女の詩もよんでみましょう。どんな世界が見えますか?
彼女の詩を読んだ後また彼氏の詩を読むとまた違った視点が見えるかもしれません。

記憶の日記

孤独な夜、おばあさんは一人部屋の片隅で日記を手に取った。
月明かりが部屋に静かに差し込み、彼女を照らす。彼女はぼんやりと日記のページをめくりながら、思い出の中を彷徨った。まるで少女のような横顔ははにかんだ笑顔に見える。

「愛する人へ、目をとじればあなたの笑顔と優しさが私を包んで離さない。」

日記に刻まれる彼女の心の叫びがあふれている。
愛するおじいさんの記憶は日々薄れていく。彼女の心は寂しさを隠すように日記に記されていく。どんどん思い出は消されていき、この関係さえもなくなってしまうんじゃないかと思うと涙が止まらない。

どんなに祝っても、明日には忘れてしまうこの思い出と感情は日記の中にとどめさせて。

「あなたの笑顔は私の光。時が過ぎても変わらず輝く。忘れられると知っても、愛は心の奥底にある」

涙が頬を伝う中、彼女は日記のページを閉じた。彼女の心には、忘れられない思い出と深い愛情がそっと宿っている。

若かりし頃の二人♡

あとがき
この物語は認知症になってしまい記憶がどんどん消えていくおじいさんと、そんなおじいさんを今でもずっと愛しているおばあさんの詩でした。
お互い心では繋がっていますが、それをどうしようもく病が進行していく。
愛とは何なのか、それでもずっといられる関係。
そうでありたい。そんな詩でした^^

おじいさんバージョンだけ読んでも美しい詩でした(*'▽')
あなたはどんなふうに感じましたか('ω')ノ

誕生日嘘をついたページ

このワードは寝ぼけた時にテキストに保存した言葉です
この言葉から妄想と想像を繰り返しできたお話です。
なんだか、楽しいね

この記事が参加している募集

スキしてみて

儚く美しい詩や物語が好きです★また明日も頑張ろって思えるようなものご用意しています♡ぜひご覧ください。いっしょに素敵な世界線へまいりましょう。