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【映画感想】戦場のピアニスト

従姉と“名作映画を見よう”週間で第55回カンヌ国際映画祭最優秀作品賞を取った「戦場のピアニスト」を見ることにした。

≪あらすじ≫
20世紀前半、場所はポーランドの首都ワルシャワ。ピアニストであるユダヤ系ポーランド人のウワディスワフ・シュピルマンは、ワルシャワの放送局で演奏をして生計を立てていた。第二次世界大戦が勃発、ナチスドイツがポーランド侵攻を開始。シュピルマン一家はユダヤ人居住区への移動を強いられ、ナチスドイツによる過激な迫害に耐えながら、外へも自由に出られない苦しい生活が始まった。

≪感想≫
ナチスのやり方をみていて、“人は自分の正義のためならどこまでも残酷になれる”と思った。人って自分の考えが正しいと信じ込んだとき、そのときにはすでにほかの人の意見が介入できる隙間がなくて、どんどん自分の中で勝手に凝り固まった価値観を作ってしまう。そうなるとゆがんだ認知を正す機会もなく、そのまま自分の正義を振りかざすことになる。

ドイツ兵って人を殺すことにどんな風に思っていたんだろう。映画の中のドイツ兵は躊躇なく人を殺していた。だんだんナチスの正義がドイツ兵に共有されることで、元々は人を殺したくないと思っていても、それに抗うのがしんどくなる。そしてむしろその正義に乗っかった方が楽になってしまったパターンもあるだろう。(多分)やっぱり誰かの正義が大きくなって、社会に共有されたときは自分を貫くのは難しいと思った。

ユダヤ人の迫害が起きたのって1929年の世界大恐慌で経済的に打撃を受けたあとのこと。ドイツの中でユダヤ人のある一部が「貸し借り」で儲けているのに対して許せない感情が沸き上がり、迫害や差別がはじまったという。ユダヤ人の一部が儲けていただけで、じゃあユダヤ人全員悪いって思ってしまうって認知の飛躍であると思う。でも私たちって思っている以上に○○人や○○民族と勝手にカテゴライズして人を見てしまうことがある。そしてある○○人が事件を起こした、となると勝手に母体を大きくとらえて、差別をしてくる人は沢山いる。差別はしないが、私も勝手にだれかをカテゴライズしてジャッジしてしまうことがあるかもしれない。(アメリカ人=○○、中国人=○○、など)これから留学に行く身としても気を付けたいポイントだ。

≪もっと面白くみれる≫
映画監督も幼少期をゲットーで過ごし、母を収容所で亡くしている。
主人公役のAdrien Brodyの両親はユダヤ人である。

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