「ヨコモジ」文化と日本語のはなし

言語はうつくしい。

突然ですが、わたしは言語が好きです。

2番目に覚えた言語がフランス語だったり、
英語を話す国で暮らしたり、北京語を勉強していたり。
ほぼ趣味ですが、言語に対して少し敏感なほうです。
そして、日本語が好き。

誰かが言っていました、
『言語はその地域にデザインされたツールである。』
その通りだとおもいます。

言葉には、その国の文化や歴史の流れ、隣国の影響、国民の性格が表れていてそれぞれ構造、ルール、発声の組み合わせでデザインされた、コミュニケーションツール。
すべてのバランスがキセキのようで、とてもうつくしい。

しかし近日、この国の日本語は外来語がヨコモジとして、そのまま使用されることが多くなってきました。
それは時としてわたしを混乱に蔑め、国の行く末を案ずるという、小さな悩みにもなっているのです。

ある日の会議

「アジャイル開発のアサインシェア、ASAPでお願いします!」

む、、何語?

ここはどこの国なんだ?ばりのヨコモジの横暴。
業界柄もあってか、わたしたちは会議でヨコモジを使うのは避けられなく、しばしば理解が追いつきません。
みなさんも経験ありませんか、会議中などでヨコモジが乱列して混乱に陥ったことは。

アジェンダ、アサイン、アジャイル、アライアンス、アセット、アサップ..

ア行の業界用語だけでも、頭痛がしてくる。

ちなみに上記の翻訳すると
「開発の割り当て、予定表の共有を迅速にお願いします!」
これは、日本語で良くないか?と思う。

ある日の昼下がり

「Goal!ビジネスコンサルティングとして、アウトソースする領域をブレイクスルーする!」

なんだか文章が頭に入ってこない..。
資料を読み解かなければいけないのに、ものすごく時間がかかります。

万が一、この資料を作ったひとがハイパー仕事ができるひとだとしても、文章センスから人として不信感すら覚えるほどです。

ちなみに「ゴール」はよく使う単語だが、
Goal(英)の意味は、野心努力などの目標のこと。
ゴール(日)は、最終地点という意味だと認識しています。

同じワードだったとしても、このような細かいことで、意図や意味にズレが生じてくるので、どちらの意味で言ってるのか?
その混乱は、次第に怒りに変わります。

なぜ日本語で統一しないのだろう?
日本語じゃだめなのか..?

例えばフランスだったら、外来語そのまま使うことは許されず、
政府は、文化防衛の言語政策として、新たな単語をフランス語で定義し民間に「これ使ってね!」と提示される。フランス語で利用可能にすることを政府が行います。
これはこれで自国の首を締めている気もしますが、あの国ならわかるというか、性格が良く出ています。

一方日本は、外来語もそのまますんなりヨコモジで受け入れてしまいます。
結果、こちらも国民性が出ていると思います。
良い意味でも、悪い意味でも。

ある日のハワイ

この間、ハワイの島をお散歩していたときに
日本人の若いカップルが、ウェディングの正装で一生懸命写真を撮っているのを目撃しました。
「止まれ」サインの前で。

わたしは興味本位で見ていた現地人と一緒に傍観していましたが、
「日本人は奇妙だね!」という会話をして、そこから立ち去りました。
その後、わたしのこころは複雑でした。

例えばこれを日本でイメージしたら、
白無垢、紋付袴の正装で「止まれ」看板の前で写真を撮るだろうか。
家庭を築いて子孫繁栄をはかっていくことを神前に誓う厳粛な儀式を、「止まれ」看板の前で行うのか..。

一つ呈しておくと、他人の行動についてとやかく言う気は無く、やりたいことに対して、自分に芯があるならなんでもやればいいと思っているほうです。
しかし、これに対しては、「意識しているんだろうか。」と、
同じ日本人としてお節介ながら心配してしまいました。

ご存知のとおり、ハワイは日系のアメリカ人が多く、日↔︎英通じることが多いです。しかし、地域や店によって日本語を話せる店員さんが、ブランドを守るためわざと英語しか話さないことあります。(Kakaakoのオシャレどころとか)
友人も日系人のそのひとりですが、英語サッパリの日本人相手でも容赦は無く、お客さんの前では日本語は一切つかいません。

これはハワイの文化とか現地語、英語を守っていて、すてきに思います。

何を言いたいかというと

文章を読んでいただけた通り、わたし自身の言葉も文脈もぜんぜんうまくありません。
けれども、言語という分野をそこそこあいしています。

普段、人と接していて、「そのヨコモジ、意味わかって言ってるのなぁ。」と思うことがあります。

もちろん便利なヨコモジもたくさんあります。
ただ、日本語と一緒につかうとき、少し気をつけることもスムーズなコミュニケーションにつながるかも。

日本語は品があり、丁寧で、発音やスピードやわらかな、とてもうつくしい言語です。
わたしたちは、日本人として日本語を使うという価値があるということ。
気づきになってもらえたら幸いです( ˘ω˘ )。

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