見出し画像

効率的な読書を行うための方法(効率的な学習にも適用可能)

こんにちは、サイトウです。
今週末から社内で研修会を行うことになりました。

自分の会社は現在、年商2億円程度で社員数も10人に満たない会社です。会社組織は簡素なもので、創業者の2人が経営者兼業務リーダーとして業務を行い、残りの社員が実務を行うというもので、個人事業主の延長といった感じです。

しかし、将来的には会社規模を拡大するためには、マネジメントを実行できる組織を整える必要があります。

マネジメントを行うためには、マネジメントチーム(以下”経営層”)が自分の担当する業務範囲の把握、業務の具体化と進捗計画の作成、進捗状況のチェック、結果の評価・分析といったことを自分で行うことができる必要があります。もちろん、会社が設定したゴールを達成することに責任を持つ必要があります。

要するにマネジメント層に必要なのは、下記の事だと私は理解しています。
・新たな知識を理解する能力
・学んだ事柄を自分の業務に適用する能力
・自分の目標を具体的に設定して、その達成のために行動計画を設計する能力
・自分で設計した行動計画を実行する能力
・上記全てを他人に正確に伝えることができる能力


前置きが長くなりました。
上記の能力を培うための研修として、自分ができる範囲では『読書会』が良いのではないかという結論になりました。このため、この記事では読書会を行うために『読書』について、棚卸をしていきます。

読書の目的や重要な点を整理して、私が行っている効率的に読書を行うための方法論についても書いていきます。こちらを読んだあなたが読書について考えるきっかけになれば幸いです。

なぜ読書を行うのか?読書の目的(学習にも適用可能)

私が考える読書の目的は下記の3点になります。

1.知識の吸収
2.感情をはぐくむ
3.自分と異なる視点、視座から、自分の抱えている問題について思考をする

ビジネス面では1.と3.が重要なので、これらを軸に話を進めていきます(とは言っても、ビジネスでは感情も同じかそれ以上に大事です)。

1.は自分の知らない問題解決策について知ることができます。
ビジネスにおける問題とは、大部分は知識の欠如に関係しています。このため、事業を存続、拡大するためには、日々、新しい知識を学ぶ必要があります。そうでなければ、事業はやせ細っていく一方です。

3.は重要になります。1.と関連していますが、ビジネス面における問題では問題解決の切り口が重要になります。

例えば、ある商品を顧客に販売する事業において『売上を増加させたい』という問題があったとします。これは様々な切り口から解決策を図ることができます。その切り口とは、商品の需要面、顧客面、製品の品質面などです。

人間の思考の範囲は限られており、自分の経験や記憶にある特定の切り口からしか思考をすることができません。異なる切り口から思考する手段として、人の視点や視座を借りるのか簡単です。その手っ取り早い方法というのが読書になります。

ビジネスという狭い範囲においても、成功者と呼ばれる人たちの大部分は読書を習慣としています。読書により、過去の失敗事例、成功事例を参考に、問題解決策を取り入れていたと考えられます。

ビジネス面以外でも、読書により歴史の出来事、過去の人の考え方、潤沢な感性に触れることができます。豊かな知識と豊富な視座は生活するうえでも心のゆとりをもたらしてくれます。

さらには、私の経験上、豊かな知識を適切に紹介できる人は尊敬の対象になります。もしかしたら、読書を行うことが、尊敬される人になる近道かもしれません。

このようにメリットが多い読書ですが、適切に行わなければ、その効用を得ることができません。ここから、読書を行う上で呑み込んでおく前提条件を紹介し、私が行っている読書の方法について書き出していきます。


効率的に読書を行う上で理解すること

読書を行うためには必ず理解しなければいけないことは『時間がかかる』ということです。

現在の私は1冊(300ページ弱)当たり10時間~20時間、専門書や自分になじみのないカテゴリーの本では読み終わるまで50時間以上かかります。時には内容が理解できないために途中で断念し、数カ月、数年後に読み直す本もありました。

しかし、一度、本の内容を完全に理解して、我が事として語れるようになれば、簡単には忘れません。類似したカテゴリーを読む際にも基礎知識や主張の前提を理解しているため、理解までの短い時間で済みます。時間をかけて理解をすれば、あなたの血肉となり、問題を発見・解決する武器となります。

たまに、ネット上で速読を自慢している方を見つけます。
中には1冊30分、1冊1時間で読めると言っている方もいます。

私の経験上、人間の思考は時間がかかり、30分程度では本1冊の内容を網羅するほどの思考をすることが、才能のない方には難しいでしょう。

このため、速読を自慢している方々は1冊30分で読み終わり、そこに書かれた知識だけを吸収していると思います。しかし、それは『百科事典化』しているに過ぎません。

現在は、知りたい情報はインターネット上で高速且つどこでも知ることができます。このような時代に人間が百科事典化する意味は薄いでしょう。もちろん、百科事典のような膨大な知識を用いて思考をすることに意味があります。しかし、思考をするためには時間が必要です。このため、読書はその後の思考過程も含んでいると考えると、やはり読書は時間がかかると言えます。

効率的に本を読むために重要なただ一つのこと

上記を踏まえた上で読書で最も重要なことは『問題意識』になります。

自分が何を探しているのか?
なぜ、その本を選んだのか?
その本を読むことで何を知りたいのか?何を得たいのか?
その本を読むことで、現在のあなたのどのような悩みを解決したいのか?

本に書かれた情報量は膨大であり、それを記憶することは不可能です。私たちにできることは、その内容から自分の興味に合致する一部を核として抜き出し、その核を知恵として結晶化させることだけです。

このため、本を読み始める前に問題意識をモヤっとでも(できればはっきりと)持つことが効率良く読書をするために重要なことになります。問題意識は『自分の悩みの解決策を知りたい!』という具体的なことでも、『~について気になってるから、もっと知ってみたい』という抽象的でも大丈夫です。

問題意識が抽象的でも、読書を通じてより具体化されることもあります。最も重要なことは事前に問題意識を持つことになります。問題意識を持たずに読書をしても、得るものが少ないでしょう。

まさに『求めよ、されば与えられん』ということですね。ちなみにこれは新約聖書からですが、その原文を下記に引用します。もしよければ、ここまでの休憩を兼ねて、読んでみてください。

Ask, and it will be given to you; seek, and you will find; knock, and it will be opened to you. For everyone who asks receives, and he who seeks finds, and to him who knocks it will be opened.

出典:「マタイの福音書」(第7章,第7節から第8節)

読書の方法論(学習にも適用可能)

効率的に読書を行うためには問題意識を持ち、読書を通じて問題の解決策を見つける、あるいは問題を具体化させることと説明しました。

その具体的な方法として読書を下記のように3つのステップに分けます。
 1.本を読む前
 2.本を読んでいる時 
 3.本を読んだ後 

これらの各ステップにおいて行うことについて説明をします。

1.本を読む前

このステップで行うことは問題意識を持つことです。読書における問題意識とは、『あなたがこの本を読むうえで何を知りたいのか?』ということです。

あなたが或る本を選んだとします。
なぜ、その本を読みたいと思ったのか?この本から何を知りたいのか?ということを紙に書き出していきましょう。

もし、上記の知りたいことがはっきりとしないのであれば、下記の方法を試してください。

・タイトル、著者、レビューを参考に本の内容を想像する。
・あなたが現在に持つ悩みを思い浮かべる。
・想像した本の内容に関連していそうな、あなたの悩みを書き出す。

これらの書き出した問題意識は具体的な方が好ましいですが、抽象的でも構いしません。しかし、読書を通じて、抽象的な問題意識が具体化されていきます。重要なのは、事前に問題意識を持つこと、紙に書き出して忘れないようにしておくになります。

問題意識を明確にしたら、実際に本を読んでいきましょう。

2.本を読んでいる時

本を読んでいる際は最も思考をしている時になります。もし、文字を目で追っていても、思考が発生しない場合は本を読んでもあまり意味はないかもしれません。そのような時は読書をやめて、何か他のことをしたほうが良いでしょう。

本を読んでいる際に自分なりに思考が発生した文章に赤線を引きます。
なぜなら、ある文章を呼び水に思考が発生したということは、自分なりに何か重要な部分であると思ったからです。なぜ、重要と思ったかをすぐに言語化することは難しいです。しかし、その文章は重要です。このため、赤線を引いて、あとからでもすぐに見つけられるようにしておきます。

赤線を引いた箇所で立ち止まりましょう。その場で少し思考を深くしていきます。

・何故、その箇所で引っかかったのか?
・著者の主張を自分の言葉でいうとどのようなことか?
・著者の主張と自分の意見は違う、など等

もし、思考が言語としてまとまらなければ、ただ赤線を引くだけでも大丈夫です。赤線を引いて、そのまま読み進めましょう。赤線を引いておけば、あとから何度でもすぐにその箇所に戻ることができます。より、本の内容を理解した後、あるいは知識を積み上げた後にそこに戻ってくれば、新しい思考が発生します。

文章を読んでいて、文章の意味が分からない時があるでしょう。そのような箇所にも赤線を引き、疑問点を書き出します。極論、『意味が分からない』と書くだけでもOKです。重要なことは本の内容に意識を向けることになります。赤線を引くことで、特定の内容に焦点を当てることができ、思考が発生しやすくなります。

通常、一冊の中で数多くの箇所に赤線を引くことになります。このため、赤線を引いた箇所のページにポストイットなどで目印をつけておくことで、さらに見つけやすくなります。おすすめ。

もし、本を読んでいても思考が発生しにくいのであれば、問題意識を書き出すステップに戻っても良いかもしれません。問題意識を持っておけば、文章を読んでいて思考が発生しやすくなります。

読書をしていて、新しい問題意識が出てくることがしばしばあります。新しく出てきた問題意識を追加していきましょう。


3.本を読んだ後

本を読み終わった後は、本の内容についてアウトプットを行うことで知識を脳内に固定化することができます。さらには、読書の最中に発生した思考をまとめることで、自分の問題意識に対する答えを得られることがあります。

通常、アウトプットは30分~1時間で完了します。読書に要した10時間以上の時間の価値を高めるために1時間未満の投資は安いものです。一方、アウトプットを行わなければ、読み終わった本の内容は脳内から消え去ります。あなたの投資した時間を最大化するために、下記のアウトプットを行っていきましょう。

アウトプットは人に話したり、ワード文書にまとめたり、ブログにまとめたりと手段は問いません。重要なことは、あなたの思考を第三者が理解可能な形式として言語化することです。言語化することで脳内に蓄積され、必要な時に出力したり、他の情報と関連させることができるようになります。

アウトプットの内容は下記のように時系列を追って書くと良いかもしれません。

・本を読む前の問題意識について
 ‐ 本を読む前に知りたかったことは何か?
 ‐ その本を選んだ理由は何か?
 ‐ 問題解決策を探していたのであれば、本を読む前にどのような解決策を考えていたか?

・本の内容について、問題に関連した箇所について
 ‐ 問題意識の事柄について、本の中ではどのように記載しているか?
 ‐ 問題意識に関連する事柄について、本の中ではどのように書いてあったか?

・本を読み終わった後の問題意識の変化について
 ‐ 問題意識が具体化したようであれば、その内容を書く。
 ‐ 問題解決の糸口が見つかったのであれば、問題解決のための具体的な仮説を書く
 ‐もし、問題解決策が見つからなかった場合は、その問題意識が本を読んだ後に具体化したなど、起こった変化について書く
‐新しく出てきた問題意識について書く


上記のような3ステップを踏むことで読書がより充実したものになるでしょう。但し、これらは抽象的な内容になり、少々わかりづらいかもしれません。

私が上記の内容を踏まえて社員研修で行う読書会を行っていきます。その内容について、今後に紹介をしていきますので、そちらを参考にしていけば、より理解が深まるのでそちらも参考にしてみてください。

それでは最後までお読みいただきありがとうございました。
面白かった、役に立ったという方はフォローをお願いします。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?