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お出ししなかった、つきだしの夢

『ぼくがゆびをぱちんとならして、きみがおとなになるまえの詩集』を書いたときに、詩にはじめてふれる子でも読める(「わかる」ではない)はんいにこだわったため、たくさんの好きな詩がこぼれた。

後悔だらけだったがしょうがない。

二年ぐらいたって、幸運にもまた詩をあつかった連載をはじめることができた。それが「ポエトリー・ドッグス」で、あの詩も入れられるかも、この詩も紹介できるかもと、夢がふくらんだ。

詩の候補をあげていく。その詩から生まれるテーマを考える。連載の、毎回のテーマとしてそれを並べていき、そこから、またべつの詩の候補が見つかる。そしてふたたび、その詩が、テーマへ影響して・・・。というふうに、じりじりと全体像を決めていった。

人生で大事な詩を紹介することができたけど、またもやこぼれたものも、結局たくさんあった。

詩の歴史として、じぶんなりの通史になっていることも、よくばっていたので、日本の戦後詩をまるごと入れなかった。
じぶんの解釈では、戦後詩は、ロマン主義よりの象徴詩ということになってしまうので、その回は、もう埋まっていた。

構想ノートにあった名まえを悔しまぎれにあげると・・・。
岩田弘、平田俊子、西脇順三郎、井坂洋子、安西均、飯島耕一、堀口大學、井伏鱒二、岸田衿子、菅原克己、小川三郎、酒井駒子、マラルメ、ヴァレリー、ライナー・マリア・リルケ、W・B・イエイツ、ロバート・フロスト、パウル・ツェラン、E・E・カミングス・・・。

詩の沃野は広くて。

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