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行政書士について

2. 成年後見制度

②任意後見制度 パート①

まず、任意後見制度とはですが、これは、法定後見制度と異なり、「ご本人の判断能力がある状態で」利用されます。

ですので、ご本人の判断能力が十分にあるうちに、将来自分の判断能力がなくなった場合に備えて、あらかじめ自分の財産状況や市役所などの手続きを誰に任せるかを決めておく制度になります。

ここで、任意後見制度のポイントとしましては、

・公証役場で契約を結ぶ

・将来自分が信頼する相手を将来の後見人として準備できる

・契約までの時間がだいたい1カ月程度

・必要な手続きは、法定後見ほど煩雑ではない

・任意後見契約の効力を発生させるためには、任意後見監督人の選任の申立をして、任意後見監督人が選任されないといけない

・任意後見監督人の報酬を支払う必要がある

こんな感じになります。


では次に、任意後見制度のメリットとしましては、

・任意後見制度では、将来自分の財産管理などを任せる相手をあらかじめ決めておくことができるので、「自己決定権の尊重」に適った制度である

・任意後見制度では、将来の後見人の報酬をあらかじめ決めておくことができる

・任意後見制度の契約の締結は1カ月程度できる(法定後見よりも早い)

といったことが挙げられます。

とりわけ、個人的には、最初の「自己決定権の尊重」というのがとても意義深いのではないかと思います。

なぜなら、そもそも成年後見制度は、ご本人の方のサポートの手段として存在する制度ですので、当該ご本人がどのようなサポートを誰からいくらで受けるのかを自分の意思で決めることができるのが制度趣旨に合っていると考えるからです。

しかし、任意後見制度にもデメリットがあります。それは、

・任意後見制度では、任意後見人以外に任意後見監督人の報酬を支払わなくてはならない

・任意後見制度は、取消権がないこと

後者については、法定後見制度の場合は、代理権、取消権がありますが、任意後見制度には代理権はありますが、取消権、同意権がありません。ですので、当該ご本人が後見人の知らないところで何かしら不利な契約を締結したとしても、取り消すことはできません。

なぜなら、そもそもこの段階では、ご本人には判断能力があるからです。

ですので、このような場合、法定後見を申し立てて、後見人等を選任してもらい、事務を進めていくことになります。

ということで本日はこの辺で👋


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