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#27 お金との関係の作り方

こんにちは。sacaikumiです。

この「考える」マガジンでは、私が関心を持ったトピックを幅広いテーマで自由に書いています。

昨日フリーランスとして別業界で活躍している内田琴美ちゃんと久しぶりにzoomで楽しくお喋りをして、是非お金に対する考え方の記事を書いて!とリクエストをしてもらったので、早速、私なりのお金との向き合い方について思いつくままに書いてみました。

最初におことわりしておくと、これは私がお金に困らなくなるためにどうやって思考を変えていったかというお話しなので、デザイナーとしての稼ぎ方メソッドという話ではありません。

♢♢♢

まずは今の私の暮らしから。
本当はあまりお金の事情を赤裸々には書きたくないのですが、誰かが一歩踏み出す勇気に繋がればいいなと思うのでふわっと記してみます。

今は大体世の中の会社員の平均年収の2〜3倍稼いでいます。そして、パソコンにジッと向かっている類の労働時間は、一番沢山働いてた時期の半分くらい。(日々常にあれこれ考え続けていることを仕事と呼ぶなら、いつも仕事していると捉えることも出来るのですが…)

私はあまりお金そのものへの執着がないほうなので、金額としては自分で希望する快適な暮らしをまかなえて、かつテンションが上がるお釣りが来るくらい稼ぐことをベースに考えています。

つまり、特に使う理由がないのに1億円稼いでも本質的な喜びにはつながらないけど、いつか1億円使う理由が出来たらその時は稼げると本気で思っています。

でも、私が今くらい自由で恵まれた生活を手に入れたのは、ここ最近のことです。業界の特性もあって、社会人1〜7年目は全然お金がなかった。はっきり言って、すごく大変でした。大学を卒業して最初にもらった月給は12万円、周りの友人たちより10万円ほど少ないところからのスタートで、もちろんボーナスなんてなし。でも周りから、やりたい事があって良いよね!と羨まれる生活…笑(当時は給料が少な過ぎる事が恥ずかしくて、ぼんやりと隠していました)
今のような生活を送れる日々をずっと夢見ていたけど、叶うのはもっともっと未来の話、10年後くらいだろうな〜って思ってました。

そんな私の背中を押してくれたのは「どうしてもイギリスに住みたい」という気持ちでした。

私は昔から節約が不得意でした。だからお金を稼いでなかった時期も500円するコーヒーを毎日買って飲んでたし、欲しい服に出会うと後先考えず買っちゃう。そのせいでお金が全然貯められませんでした。そんな自分を自分でいつも責めていました。

お金を貯めないとイギリスには住めない、なのにどうしてもお金を貯められないし、稼ぎを増やす手立てもない……というのが、私が2〜3年前までずっと抱えていたジレンマでした。

そこで、節約出来ないなら稼ぎを増やすしかないといよいよ思い立ったのが2年半前。2018年末に、3年お世話になった会社を退職させていただきました。

その次に勤めた会社では、初めて普通の会社員の平均くらいの給料を貰う経験をさせていただきました。当時の私にとって、その額を受け取るのは恐れ多い気持ちでしたが、生活がはるかに楽になっていって、ギリギリの生活が与える日常的なストレスから解放されたのはとても幸せな体験でした。

社会人になってから7年かけて、ようやく海外旅行に行けるお金の余裕が出来ました。それで選んだ訪問先は、やっぱりイギリスでした。今でも色濃く残るつばしと過ごした3週間は、電車が来ないとか荷物が重過ぎるとか色々と大変なこともあったけど、それさえも含めて本当に本当に素晴らしい体験でした。この体験がなかったら、きっと今私はイギリスに住んでなかったと思う。そしてこの旅行から帰って勤めていた会社に戻った時、ハッキリと、もう私は自分に妥協しちゃいけないって自覚しました。ちなみに、この時もまだ全然貯金がない状況です。笑

イギリスに住みたい、でもお金が貯められない。お金が貯まるくらいお金が入ってくる生活を送らなければ、ずーっと私の暮らしはこのままだ…!どうしよう…!

と2ヶ月ほどグルグルたくさん悩みました。
色んな人に相談したり、泣きついたりしました。電車の中でふと思いついてクレンジングカフェの経営者のマキさんにメールを送ってそのままお店に直行して、抱えている思いから抜け出せない自分が悔しくて、わんわん泣かせてもらいました。人前であんなに大泣きしたのは随分久しぶりのことでした。

大人になると、妥協は色んな形で現れて心を塞いでしまいます。私もその時までの人生のなかで、色んなことをなんとなく諦めてきました。第一希望と違う選択肢をとった正当性をいつも探していました。でも、イギリスに行くことだけは、どうしても諦めきれなかった。明からに道がないのに、下に落っこちる覚悟で飛ばなきゃならないことがすごくすごく怖かった。

そして、周りの方々に相談して私が最終的に選んだのが、フリーランスになることでした。
はじめは、私なんかに仕事が来るのだろうか…とか、食べていけなかったら喫茶店でバイトしようかな…とか、色々考えながら、恐る恐る踏み出した一歩。周りに自営業者や経営者の友人が沢山居ることが、私にとって大きなラッキーでした。たくさんの勇気を分けてもらいました。


さて、長い前置きとなりましたが、ここからが私のお金の概念の再構築の始まりです。フリーランスになって最初の1ヶ月はあまり働かず、私自身と向き合う毎日を過ごしました。

とにかく色んなことを考えました。
私の強みってなんだろうとか、私らしさってなんだろうとか、ディレクターに頼り切ってやってきた私がお客さんに納品する品質を自分でジャッジする時の基準はなんだろうとか…
はじめはやっぱり、お仕事の悩みがたくさん湧いてきました。

でも、それと並行してやっていったのが「どんな暮らしをしたいか」を見据えた思考作り。

冒頭で述べたように、私は節約と貯金が大の苦手。具体的に100万円を作るぞ!という意志だけじゃ目先の欲望には到底適わない性格です。なので、目標を金額ではなくて、暮らしにしてみることにしたんです。

例えばイギリスに住むと言っても、その下にはさらに沢山の選択肢があります。
どんなフラットが良いか?どのくらいの広さ?バストイレ別?どんな服を着て、どんな私として、どんな暮らしをして、どんな人と出会って、どんな街を歩きたいの?

そういう質問を、毎日自分にどんどん投げかけました。ここまで深く自分と向き合ったのは初めてのことでした。

イギリスについても、自分の在り方についても、仕事についても、私を取り巻くすべてのことをひとつひとつ点検するように考えて、理想を思い巡らせてみました。まるで一度これまでの自分を壊して、組み立て直すかのように。

そうしていったことで、私の中でのお金の立場が明確に変わりました。

以前の私にとってのお金は、

贅沢 / 手に入れるのが難しい / 大事に使わなきゃいけない / お金を持ち過ぎると調子に乗ってしまう

という立ち位置でした。

そこから、

自分の理想を叶えるために必要なもの / 自分が誰かを応援したいときに使える意識の形 / 自己投資のために必要なもの / 自分を幸せにするために必要なもの

といった具合に、お金との向き合い方を変えたことで、それまでにあった「沢山お金を持つことへの罪悪感」「どんどん欲しいものを手に入れていくことへの罪悪感」を手放す事ができました。

イギリスに行かなくても埋められる理想とのギャップはどんどん埋めていきました。そしてその体験は、私とお金との関係修復を加速してくれました。

たとえば去年の秋、私は自分へのプレゼントに、初めてルイヴィトンのオートクチュールのドレスを購入しました。10万円以上する品で、購入するか本当に悩みました。だけど、ここで手に入れなかったら、恐らくもう二度と出会えないヴィンテージ品。20年経っても着たいと思えるであろうシンプルなデザイン。なにより、私の尊敬する洋服店のオーナー、まりこさんがパリで選んで大事に持って帰った"宝物"のひとつ。

イギリスのことだけ考えたら、そのタイミングで10万円以上するドレスを買うなんてご法度。だけど私はそのドレスを購入して「自分にとってそれが宝物だと思えたら、いくらであろうと手に入れる人生を送ろう」って決めました。

金額じゃなくて暮らしをゴールにしたからこそ出来た選択と、素晴らしい体験でした。

それ以降、好きなものを買うときは、それが宝物と思えるか、一生懸命自問自答するようにしています。ありたい自分自身を叶えてくれるか都度考えることはとてもパワーの要ることですが、やればやるほどお金と仲良くなれる気がして気に入ってます。

私の家計簿に宝物という項目を設けるほど、大切な考え方となりました。


長い道のりを経て、今ではお金に対する'罪悪感'は持たなくなりました。お金を妥協なく使う代わりに、浪費という概念を自分の中から無くしてみました。

でも私はまだゴールにいるわけじゃなくて、まだまだお金との向き合い方を変えていける可能性が残ってると思っています。

だからこれからも、学ぶこと、稼ぐこと、使うという体験、ひとつ一つをアップデートし続けでいくつもりです。

私のように、今まさにお金について考えをアップデート中という方がもしこの記事を読んでくださったとして、共感していただけたら、これで良いんだなぁと自分を信じる勇気になってくれたら、とても嬉しいです。

最後まで読んで頂きありがとうございました。


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