2022年10月某日鑑賞

「恋する惑星」
原題：重慶森林
監督：ウォン・カーウァイ
1994 香港🇭🇰

時にはファンタジーに逃げ込むのも効果的。
生きるために必要なスキル。

むかし、近しい人の突然の死に動揺していた友人が、
頼りにしているカウンセラーに会いに行った。

どんなアドバイスをしてもらってくるのかと思ったら、
ま、とりあえず今は置いとこう、と言われたと。

なんとなく友人は腑に落ちないようだったけど、

私はそのあとの人生で時々、
何か起きる度に思い出す。
あ、今、一旦置いとく時かなと。

特に40歳を過ぎてから、
何かあるごとに考えるのをやめたり、
とりあえずその場を去ったりするのが上手くなった。
(これを一般的に「面の皮が厚くなった」という。)
若い時は正面から突進して常に消耗しきっていたな。

この映画の中でトニー・レオン演じる「663(633?笑)」は、
何も気付かず、何も認めず、
あるいは何も考える前にヌルッと受け入れて、現実を見ない。

むかしに観た時は、何となくお洒落な雰囲気のための、
上っ面な演出だと思ったのだけど、
今観たら彼は切実にとぼけてた。
(と感じた事もファンタジーかもだけど。)

トニーレオンが一層愛おしかった…(顔がいいからかな！😇)

それにしてもパイナップル爆食いは想像しただけで胃がもたれる。

あと、やたらに日付や時間、一分一秒に拘るの、

この頃の香港の人々の、
タイムリミット感や、
カウントダウン感、
変化から生まれ変化を生きて、
また変化を受けいる運命を抱えた、
その頃の空気、焦燥感？？
そのリミットの向こうに開けるかもしれない希望、
または想像したか分からない絶望、

輝きと闇の幅の広い都市で、
どんな気持ちで人々が生きていたのか、

ブルースリーもジャッキーチェンも全く興味なく育って、
香港に何の思いもなかった当時の私が、
なにかを想像しながら観る筈もなく。

ただただなんとなく胸をいっぱいにする曲(夢中人)のインパクトと、
この子が掻き回す部屋のお洒落さだけで、
ストーリーなんて考えもしないでみてた。
友達と飲みながらビデオを流していたなぁ

つってみんな中年が昔みた時の事を語るだろうけどw

日本の公開は1995？
年齢数えて、もっと前に観たつもりでいた…。
記憶なんて適当なもんだ。

今回初めて映画館で、
初めて最初から終りまでキッチリ座って観たら、
面白い映画だった(←)

みんなが自由そうで、どこか所在なさげでもあり、
どの人の心ももガシッと掴めない。

絶え間なく流れてく水のようだ。

#恋する惑星#重慶森林
#ウォンカーウァイ#王家衛#wkw4k
#トニーレオン#フェイウォン#夢中人#californiadreaming
#金城武#ブリジットリン
#香港#映画#Movie#映画記録