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【広辞苑でエッセイ】ドヴォルジャーク

『ドヴォルジャーク』
チェコの作曲家。ドイツ-ロマン派の手法を学ぶとともに、ボヘミア・アメリカなどの民謡に素材を求め、民族的色彩が豊富。交響曲「新世界より」、歌劇「ルサルカ」、チェロ協奏曲など。(2044頁)


貴志祐介さんの小説『新世界より』では「業魔」と「悪鬼」という怪物を生み出さないために、子どもたちへの「教育」を徹底している。少しでも異常であると判断された子どもは大人によって排除され、町から姿を消す。これは客観的に見れば恐ろしいことだが、子どもたちはその恐ろしさに気づかない。「教育」の賜物である。

塾のアルバイトで中学生たちに勉強を教えていると、「教育」について考えさせられる。学校という場所においては、少しでも集団からはみ出すと徹底的に排除される。そのため自分の個性を表に出せず苦しむ子どもが出てくる。私も中学時代、同じような思いをした。今思い返せば、何とも恐ろしい世界にいたものだ。

皆が皆、右向け右になる世界などつまらない。しかし、学校教育は子どもが左を向くことを許さない。この状況、どうにかならないものだろうか。

ドヴォルジャークは、アメリカという「新世界」から故郷のボヘミアを想って曲を作った。新しい世界から、元々自分のいた世界を振り返ることで見えてくるものは確かにある。

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2019年9月15日(日)

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