東洋医学と西洋医学の違い

『この2つの医学の考え方は、全くの真逆と言っていいのかもしれません。どちらが正解というわけでなく、どちらも有効です。
それぞれには得意分野と不得意分野があり、そのことを知っておけば上手に活用できます。その違いを知っておく事は、健康においてとても重要です。

現在、病院で行われているものは西洋医学です。もともと西洋医学はアロパシー医学とも言われ、過去の戦争で人体実験を繰り返してきた事で、手術の技術が飛躍的に向上したとも言われています。なので、手術という技術は西洋医学の利点です。

そして、過去には様々な感染症に苦しめられてきました。ペスト、コレラ、スペイン風邪など。1929年には世界初の抗生物質ペニシリンが開発され、たくさんの人が救われました。それからもいろんな症状に対しての薬が開発され、人々を病気から救ってきました。

マイナス面としては、病気の原因を治すことよりも、すでに出ている症状を消す事に重きを置かれて発展した医学だという事です。
なので、病気の原因を治す事(=根本治療)、
病気を未然に防ぐ事(=予防)
に対しては、そもそも苦手な分野です。

一方、東洋医学は”病は気から”と言いますが、気という目に見えないものが乱れると”病気”になり、気が整っていると”元気”である、という視点から人の体の研究をしてきました。“気”とは、気分や気持ちの事だけなく、雰囲気や、体に流れるエネルギーなども含みます。

なぜ気が乱れるのか? どうすれば気が整うのか?を模索した結果、漢方、栄養療法、ハリ治療、整体などが生まれました。身体全体がバランスよく保てていれば、気は乱れず病気にはならないと考え、体の悪い部分だけを治そうとするのではなく、全体のバランスを取り戻すことが出来たら、自然治癒力により病気は治っていく事を発見しました。

なので、西洋医学とは逆で、”根本的”に病気を治すことに力を発揮し、病気の”予防”にも役に立ちます。それが東洋医学の利点です。

マイナス面としては、外傷やケガ、不快な症状をすぐに抑えることに関しては苦手です。

即効性があるのは西洋医学ですが、効果が強力であるほど、副作用も強力になる傾向があります。副作用がほとんどないのが東洋医学ですが、即効性が少なく、すぐに効果を実感しにくいのが難点です。

病気や不調は急に起こったものでなく、長年かけて少しずつ蓄積し、ある日起こるのが病気や不調です。なので本来はすぐに回復することなどありえませんし、治療は時間をかけて治していくものです。

治療に時間をかけると言うよりも、治療は時間がかかるのが当たり前のものです。この事を誤解されていると、「なかなか治らない」と嘆いて気分が落ち込んだりするので、最初から時間はかかるもの。と思っていてもらった方が気は楽です。

具体的にこの2つの医学を上手に使うということは、
普段は東洋医学を病気の予防や、体調管理に使い、病気になったり、痛みが耐えられない時や手術が必要な時は西洋医学に頼る。という流れが、一番真っ当であると考えています。

薬は血圧を一時的に下げる効果があるので上手く使うのはアリですが、血圧をあげてしまった原因までは治せません。もしも食べる物が原因で血圧が上がっているなら食事療法が必要ですし、身体全体のバランスが崩れて血流が滞っているせいなら、バランスを整える整体などが必要です。なので東洋と西洋の両方を上手に活用する方が良いと考えています。

しかし残念ながら、東洋と西洋はその根底にある考え方が真逆のため、理解しえない関係になっています。
本当は仲良くお互いの利点を活かしていけば、もっと救われる人が増えるはずですが、なかなかそうはなりません。お互いの意見に耳を傾け、尊重し合えば、素晴らしい医療になると思うのですが・・・。

人間は感情や利権が絡むと、そんな単純にはいかないようです。』


「ほとんど触らないのに治る整体の秘密」より一部引用。


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