見出し画像

持続可能で時代に合ったスノーボードの製造を考える


長久手市の行政書士、酒井洋一です。

普段は相続・遺言のお手伝いや不動産のお仕事をしています。

noteでは、専門的なコラムや私が普段考えていること、趣味のことなどを綴っています。



名取崇史さんのVoicyで面白い話がありました。

▼noteはこちら▼


スノーボード業界にいたのでよく知っているのですが、スノーボードはかなり早い時期から発注をかけます。
販売店は大体1年前にオーダーを済ませます。
例えば2023-2024年シーズンのモデルなら2022年末から2023年1月くらいに発注します。
製造側はそのさらに前に製造数を決めて材料の発注をするんですが、2023年5月時点で、なんともう2024-2025年モデルの発注を済ませているそうです。
ちなみにあとから追加や減産発注はできません。

・・・一般の方にはこのサイクルってどんなふうに映るんでしょうね。
業界にいた僕でも、この発注時期は早すぎると思います。
毎年安定的に雪が降るとも限らないし、しかもここ2シーズンに至っては発注しても製品が届かない、製造されないといったことが頻繁にあったようです(その前からスノーボード業界ではよくありましたけどね笑)。
そんな状況で2年後のモデルの発注数を決めるのって、もはやバクチじゃないですか。

そして売れ残ったらすぐに割引して在庫を処分する。
もう何十年もずっとこんな調子です。

名取さんも言われているのですが、そんなサイクルってもう時代にそぐわない。
僕もそう思います。

自然の中で、雪や山を使わせてもらう遊びなのに、人間の都合で自然に背いた大量生産・大量処分をするのってエコじゃないし、これ以上長続きしないと思います。
どこかに必ず歪みが出て、ひいては業界全体が崩壊していくんじゃないかと危惧しています。

そしてこれはスノーボードをする側、つまり消費者に求めるのは酷な話だとも思います。
もちろん持続可能な遊びであり続けるために、長い目で見れば消費者の意識改革も必要です。
ですが、根本は作る側、販売する側の問題だと思います。

業界にいてずっと感じていた違和感のひとつに、「製造側・販売側が消費者の方を向いて商売していない」ということがあります。
消費者の声に耳を傾けず、自分たちが作りたいものを作って自分たちのルールで卸して、そこから先は知ったこっちゃないよ、という態度のメーカーが驚くほど多かった。
(もちろんそうじゃない人もいましたが・・・)

今回名取さんは毎年新モデルを販売することを一部休止され、2年サイクルでの製造を試されるそうです。
これ、素晴らしいことだと思います。
もちろんほとんど前例がないので、これが上手に回っていくことなのかはまだ分からないとご本人もおっしゃっています。

ただ、今のスノーボードってもう進化しすぎていて、そもそも同じモデルなら中身は2〜3年に1度、それも若干の変更程度ということが多いです。
それに僕のような一部のマニアックな人間を除けば、自分が使っている道具がいつのシーズンのものかも分からない(気にしていない)消費者の方が圧倒的に多いのも事実。
それならば、業界の未来を考えて2年に一度の製造サイクルは理にかなっている気がします。
モデルごとに1年ずつずらすことができれば、毎年何かのモデルは発売されるので、何も販売されない年があるということも避けられそうです。

なんなら4年に一度しか販売しないモデルとかあっても面白いかもですよね。
みんな知ってるけど持ってる人はごく一部、みたいな。
ラグジュアリー戦略としても面白いかもしれません。
販売年にはお祭り騒ぎになる・・・みたいなのって、そのブランドのファンにとっても嬉しいはず。

・・・とまあ好き勝手言ってしまいましたが、意外と悪くないアイディアだと思ってます。反省はしていません。

とにもかくにもこれからは、売ることや儲けることだけが目的ならないような、消費者と業界全体が持続可能なエコシステムが出来上がるといいなと期待しています。
僕もスノーボーダーのはしくれですから、これからも続いていく業界になっていってほしいと願っています。
そうやって健全なサイクルで業界が潤い、興味を持つ人が増え、ひいてはスノーボードファンがもっと増えると嬉しいですよね。



最後までお読みいただきありがとうございました。
気軽に「♡スキ」を押していただけると嬉しいです。大変励みになります。
フォローもぜひお願いします。
noteを軸に皆様と交流を深めたいと思っています。


この記事が参加している募集

業界あるある

そのお気持ちに感謝いたします! 頂いたサポートは勉強のための書籍代や活動費など自己研鑽に充てさせていただいています。ありがとうございます。 面白い、役に立った、考えさせられるな・・・など、立ち寄って頂いた方になにかお返しできるような記事を書いていきたいと思います。