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権田原はオトコ同士の出会いの料亭

ゲイの相手探しは大変だった。
今はインターネットという特殊な趣味をもつもの同士を直接つなげる便利なものがあってくれるけど、そんなものがなかった時代はほんとに大変。

自分はゲイですって看板をぶら下げるわけにはいかない。
だからわかる人にだけ「ゲイかもしれない」って匂わせる程度のヒントをまとうのね。
襟足をキッパリ剃り上げたショートカット。
それに髭。
ワンサイズ小さいポロシャツを襟を立てて着たりするのが、ボクが20代の頃の合図だったけど、それがオシャレに見えるんでしょう…。
あっという間にノンケさんから真似される。
ちなみにノンケさんは異性愛者の男性のこと。その気(ケ)がないからノンケさん。毛がない人って意味じゃないのね。

ゲイが次々、ブームを作っていけるのは、コミュニティーのメンバーだってしらせる「自分たちだけ」を必要としているからなんでしょう。

それでももっと確実に知り合いたいとそのためにゲイバーがある。
ゲイ雑誌には文通欄っていうのがあって、これは近々、別のコンテンツで説明するね。

そんなまどろっこしいことが我慢できないくらいに誰かが欲しいと思ったときに使ったのが「ハッテン場」。

ハッテン場。

男同士が気軽に出会って愛し合うことができる場所…、とでもいいますか。
出会ってそのまま性行為にまで「発展」できるから、ハッテン場と呼ばれるようになったんだ…、っていうのが定説。
でもよくわからない。

出入りが自由にできて目立たない場所。
長時間いても誰もあやしまないような、例えば灌木が茂る公園の夜…、なんていうのがハッテン場になりやすい。

ハッテン公園。

世界中の大都市にはひとつやふたつあって当然。
パリのボローニュの森なんて「男娼の森」って言われるほどに夜になるとゲイでにぎやか。
集まる人は年齢、職業、国籍、人種を問わず雑多で、日本出身の世界的に有名なファッションデザイナーが、若い頃にロマの男娼に刺されて生死の境をさまよった…、なんて話が残る。

三島由紀夫の同性愛をテーマにした小説「禁色」にハッテン公園に関してこんな記述がみつかります。

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