一年の労を労うためにひとりお疲れ様会をセルフ開催した。

最初はどこか源泉掛け流しの温泉でもと考えていたのだが年末近いこの時期は一人客を受け入れているところも少なく、それなら食に全振りしようと考えたのだ。

しかし何を食べる？

どうせなら普段食べないものが良かろうと頭を捻ってみる。散々悩んだ結果下関にふぐを食べに行くことにした。

下関のふぐは有名だが、かといって山口県民の食卓にふぐが出てくるかというとそのようなこともなく（下関は違うかもしれないが）。思えばお店でちゃんとしたものを食べたことがないような気もする。

かの魯山人もふぐを好物としていたぐらいなので、これは一度ちゃんとしたものを食べるしかないぞ、となったのだ。

そんなこんなで年内の仕事をなんとか納めたふりをして下関のふぐ専門店「たまや本店」さんにふぐを食べに行ってきた。なお現在は完全予約制になっているので訪問の際は注意されたし。

ふぐと一口に言っても色々な種類があるのだが、ふぐの王様トラフグを食べることができるのも「たまや本店」さんを選んだ理由の一つだ。

一年の労を労うのだ。財布の紐も緩めるどころかすでに一刀両断である。もちろん一番高いコースをセレクトした。

どれも美味しかったのだが特に美味しかったものを紹介。

やはりふぐ刺し。もちろん今まで何度か食べたことはあるのだがどれも干からびたようなふぐ刺しで言うほど美味いか？と思っていたのが正直なところだったのだが、これは旨みが凝縮していながらも瑞々しさが残っていて非常に美味しかった。

そしてふぐの白子。これは初めて食べたと思う。とろける食感、濃厚な旨み。それを贅沢に出汁、焼き、天麩羅、茶碗蒸し、グラタンでいただいた。実に口福。

可食部は少ないがあらの唐揚げも旨みがつまっており美味しかった。〆のふぐちり雑炊までペロリと平げると満足感もひとしおである。

ふぐ料理はなかなか食べる機会もないと思うので下関に寄られた際は是非食べてみてもらいたい。

ご馳走様でした。