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【最終章】Manchester City編:ゲームモデルの作り方「13の行動」(応用編)〜守備への切り換え〜Vol.11

いよいよ今回がマンチェスターシティ編:ゲームモデルの作り方「13の行動」(応用編)の【最終章】である。

ここまで、マンチェスターシティのゲームモデル:13の行動を説明してきたが、今回は「守備への切り換え」のモーメントについての行動について説明する。

行動11:プレッシング
行動12:後退
行動13:プレッシングと後退


マンチェスターシティの守備への切り換え時の行動を分析すると、行動12:後退は存在しないことがわかった。ペップ・グアルディオラのサッカーに後退はないのだ。

存在するのは、プレッシングプレッシングと後退だ。

もちろん、ボールの失い方と選手の攻撃の配置が悪くDFラインの背後にスペースがある状況で、ボールを失った場所の近くにマンチェスターシティの選手がいないことは1試合で1度や2度はあるが、その場合は後退を選択せざる得ない場面も現実にはある。

しかし、マンチェスターシティのゲームモデルという再現性のあるモデルで考えたときに、後退は存在しないのだ。



ゲームモデルの13 の行動

行動11−12−13の「局面は守備」、「モーメントは守備への切り換え」である。

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ゲームモデルのファクター

守備への切り換えのファクターは、ボールを失った後の集団アクションである。

定義:攻撃側のチームがボールを失い、まだプレー中であるときに、素早く、突然現れる個人および集団のアクション

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フランシスコ・セイルーロが分割したプレースペースに基づく4つのプレッシングゾーン:

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上記はフランシスコ・セイルーロが4つに分割したプレースペースに基づくプレッシングゾーンである。

個人的に、FCバルセロナやマンチェスターシティはこの4つのプレッシングゾーンを使用していると思うが、これまでと同じように3つに分割されたゾーンでマンチェスターシティの守備への切り換えの行動を説明する。

なぜかと言うと、下の図にある3つのゾーンの方が明確にマンチェスターシティの守備への切り換えの行動を分析できたからだ。

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上の図を見て欲しい。基本的にマンチェスターシティは、ゾーン3の高い位置でボールを失った場合は、プレッシングである。

ゾーン2でボールを失ったり、ゾーン3で失った場合でもゾーン2までボールを相手が運んできた場合は、プレッシングと後退を使う。

ゾーン1でボールを失った場合はどのチームも一緒だ。1人2人が相手にプレッシャーをかけて残りの選手は素早く守備組織を整えてペナルティエリアの前に守備ブロックを築いてゾーナル守備の準備をする。


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