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学校では教えてくれない②-お金から逃げていた-

早速読んだ本は、まず読み物として最高に面白かった。

腰の据わった邱永漢さんが飄々と語っていく人生とお金の話。そこに相槌を打ちながら話を引き出し、時には読者の代弁者となりながら、先導役を務める糸井重里さん。

お金の話が中心に据えられてはいるけど、想像していたお金の本のイメージとは違った。

「こうしたらいい!」「こんなことはしたらダメ!」

みたいな節約術やもうけ術を解くことはない。

ただただお金との向き合い方と接し方から邱永漢さんの人生が透けて見えてくるような本だった。淀みない邱永漢さんの言葉は、人生の体験を通して得た知識から出ているためか、1つ1つが重く、心に響いた。

特に本の序盤、私がどっきとしたのは、お金は汚いものなんでしょうか?という言葉だった。

糸井さんの問いから出た言葉だったが、お金は人の手から手に渡ってきたから汚いという理論を、子供の頃に糸井さんは祖母に教えられたいう。衝撃だった。私も全く同じことを子供の頃に教えられていたからだ。

お金は汚い。お金は誰が触ったかわからない。触った後はすぐに手を洗え。祖父にしきりに言われた記憶が浮かんできました。確かに誰が触れたかはわからない。でも、子供の時に集めた道端の石や地面を歩いている虫と比べても、汚れという面ではそんなに大差はなかったように思える。ただ、その時に教えらたお金=汚いものというの認識が、私をお金というものを考えることから遠ざけていたのかもしれない。

お金は汚いものなんでしょうか?の前のページにある邱永漢さんの「ごく普通にお金を扱えばいいんですよ」の言葉がじわじわと胸にきて、自分がどれだけお金を曇った目で見て、きちんと理解しようとしなかったのだろうと反省すると同時に、お金に対して抱いていた恐怖心のようなものが少し弱まったのを感じた。


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