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対戦ゲームが嫌いだった話

子供の頃、友達の家に何人かで遊びに行くとやるのは決まって対戦ゲームだった。
ス◯ブラとか◯リオカートとか。
ゲーム下手な私はいつも負けていたので、あまり良い思い出がない。
もしも対戦ゲームで負けることを競う大会があったらそれはもう芸術点の高い負け方をして審査員を唸らせていたであろう。対戦しても私の選んだゲームキャラは直ぐに塵と化す(負ける)のでその内、その子の家に置いてある物や部屋の様子を観察して、この家の人たちは普段どんな暮らしをしてるのか妄想するようになっていた。
今思えば、私の一人遊び(ボッチ)の才能はこの頃から芽生えてたのかもしれない。

そんな自称、一人遊び(ボッチ)の天才だった私にも時間を忘れてゲームを遊んだことはある。それがペルソナ4だった。
ネタバレになるので名前は伏せるけど、
そのゲームのボスキャラ、こいつがまた嫌味なやつでね。
大人なくせして子供みたいな弱音を吐くそんな情けない奴。
だけどなんだか憎みきれない……そんな奴だった。
口癖は「世の中クソだな」。清々しいほどのクソ野郎だった。

あの頃はあんま好きじゃなかったけど、今ならあいつの気持ちが痛いほど分かる。世の中クソ過ぎるよな……。やりたいことはまるで叶わないし、辛いことばかり、社会という枠の中で人並みに生きるには自分はあまりにも胆力がない。
俺が社会に適応していないのか?
社会が俺に適応していないのか?
社会なんだから俺ぐらい適応できるようになれよ、と常々思う。
まぁ、さすがの社会さんも「いや、私にそんなこと言われましても……」と困り顔をしてるのは想像に固くない。
でもその困り顔すらもムカついてしようがないのだ。
なんだかはらわたが煮えくり返ってきたぞ。
ホントに世の中クソだな!

……ってアレ?俺、あいつとまったく同じことを言っている!!!!笑
いつの間にかあの頃、馬鹿していたあいつみたいな大人になっていたのだ。清々しいほどのクソ野郎はここにいた。というか私だった。
まるでなにかの寓話になりそうな話だな、絵本にして売ってやろうかな?(逆ギレ)

あいつはまるで今の私なのだ。凄く似ている。
こんな似ているのはマナカナ以来じゃないかな。
唯一違うのはあいつにはあいつを倒しに来てくれるゲームの主人公がいて、あいつは最後の最後で改心してやり直せたということ。
私の下にもゲームの主人公は来てくれるだろうか。
その時はせめて悪役らしく笑って散りたいものだ。
「フーハッハッハ」

試しに笑ってみたらそれをもう盛大にむせた。


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