さかたのニュースまとめ(2024年3月22日)
私自身がX(旧Twitter)で取り上げた記事を中心にニュースを振り返る。
イスラエル ガザにおける戦闘
イスラエル ハマスの停戦要求を拒否
先週15日、イスラエルに対しハマスから停戦要求があった。
要求内容には人質交渉の他に、一部地域からのイスラエル軍の撤退と恒久的な停戦が含まれており、ハマス側に非常に有利なものだった。
イスラエルは同要求を“協議中”としていたが、20日に要求を拒否するとの正式発表があった。
イスラエルはガザ最南部ラファ侵攻前にガザ市民を退避させる計画を進めている。
今回イスラエルとハマスの間で停戦に至らなかった経緯もあり、アメリカから人道的配慮するように圧力をかけられたとも考えられる。
イスラエル軍の作戦開始以降の行動から、ネタニヤフ首相はラファ侵攻を強行することも考えられたからだ。
また、同軍はガザ市民に対し人質情報を提供するよう呼びかけている。
これまでとは異なり、人道を意識した動きが起こっていることは明らかだろう。
しかし、この呼びかけに応じれば攻撃が止まるわけではないため、ガザ市民の心情を考えれば効果は薄いと見ている。
アメリカのブリンケン国務長官が中東を訪問し、エジプト、ヨルダン、カタール、サウジアラビア、UAE、パレスチナ自治政府との団結を示した。
ブリンケン国務長官と各国代表との間で、人道支援の拡大や戦闘終結後のガザ再建に関する話し合いが行われたと見られている。
そして22日にブリンケン国務長官は、ネタニヤフ首相らと協議するためイスラエルを訪問している。
ネタニヤフ首相がカタールに赴き、ハマスとの停戦交渉を再開することが望まれる。
今後も停戦の実現、ラファ侵攻を前にしたイスラエルの対応、イスラム諸国の反応、人道支援の状況などから目が離せない。
ガザ市民の状況、人道支援に関して
昨年10月7日のイスラエルに対するハマスの越境攻撃にUNRWA職員が関与していた問題に関して、国連は独立調査チームによる中立性の検証を行っている。
調査チームは今月20日、グテーレス事務総長へ「改善が必要な分野を特定した」との中間報告書を提出した。
これを受け国連は「UNRWAは中立で人道主義の原則を確実に順守するための機能や手続きを相当数導入している」と評価し、「対処すべき重要な分野も特定した」と今後対処すべき事項が明らかになったことを発表した。
最終報告は来月20日となる予定だ。
現在ガザ地区の状況は厳しく、人口の半数が飢餓に見舞われるとの試算も出ている(ロイター)。
一方、エルサレムのUNRWA事務所前では、数十人のイスラエル人によるUNRWA解体を求めるデモが行われた。
民間レベルでもパレスチナとイスラエルの対立は深まっている。
今回の中間報告による影響で、最終報告を待たずしてUNRWAへ拠出再開する国があるのかに注目している。
カナダ政府 イスラエルへの武器輸出を停止か
今月19日、カナダがイスラエルへの武器輸出を停止する見込みであることが明らかになった。
カナダはこれまで“殺傷能力のない”装備をイスラエルへ輸出していたが、すでに今年1月以降は輸出していないと同国政府筋の情報からわかっている。
アメリカによる武器輸出がバックにあるため、カナダの輸出停止がイスラエルに与える影響は少ないだろう。
しかし、このような一国の判断が国際社会へ与えるメッセージ性は大きいと考えられる。
ガザにおけるイスラエルの戦闘がさらに長期化した場合、カナダだけではなく他国の動きも注目される。
ロシア ウクライナ侵攻
アメリカのウクライナ支援の先行き
現在ウクライナに対するアメリカの軍事支援は停滞している状況にある。
早期の支援再開が望まれるなか、アメリカのサリバン大統領補佐官は「ウクライナ支援法案は実現する」と表明した。
ウクライナ支援法案は共和党下院の可決に見通しが立っていなかった。
スイス主催による和平会議を今春に開催することが望まれているが、中国が参加する可能性があるとしている。
中国が参加した場合、ロシアを援護する目的があると予想している。
ロシアでは大統領選が終わったばかりだが、今春には徴兵が予定されている。
ウクライナ・ロシアが専門の独立系アナリスト(ジャーナリスト)、コバレンコ氏のX(旧Twitter)の投稿によれば、ロシア軍は今後の攻勢を見据えて新たな大規模部隊を創設するとのことだ。
部隊の規模から推測すると、24万人〜76万8千人の動員となる模様だ。
ロシアの動員規模が数十万単位となることは明らかであり、さらなるウクライナへの軍事支援が望まれるだろう。
今年は“積極防衛”を掲げているウクライナ軍だが、ロシアの攻勢は苛烈さを増し、非常に苦しい一年になりそうだ。
北朝鮮 新型ミサイル燃焼実験「成功」
今月19日に北朝鮮は極超音速の“新型”中距離ミサイルの燃焼実験に成功したと発表した。
ウクライナ侵攻が長期化するなか、急速にロシアとの距離を縮めている国が北朝鮮である。
北朝鮮はロシアへの武器供与の見返りとして、弾道ミサイルなどの軍事技術の支援があると考えられている。
北朝鮮から供与されたミサイルがウクライナ侵攻で使用されたとの報道もされている。
ウクライナを“実験場”とし、北朝鮮製ミサイルの実戦使用データのフィードバックもされている可能性が高い。
今後も北朝鮮の軍事技術が向上すると考えられるため、日本の安全保障上の脅威がさらに高まることになる。
遠いウクライナで起こっている戦争ではあるが、日本も無関係ではいられないだろう。
Bluesky:@sakatatakuro.bsky.social
©️さかた拓郎
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