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私のオアシス 【詩】

去年web版の花椿が募集していた「今月の詩」に応募して、落選した作品にちょっと手を加えてみました。いつもより、いわゆる”詩”の形をしているのはそのせい。

花椿では今年も詩を募集していて、また何かしら応募しようと思って書きかけているところです。
舞台やモチーフは全然違うのですが、言っていることは去年の作品と大して変わっていない気がする。


石をこねて小さな家を作る。見渡す限り岩と砂だけの土地に、ひとときの夢のお城、おもちゃの家。
作っては崩れる。作ったそばから風化する。

ほんのお遊び、ほんのお遊びと言い聞かせる手の中で
ほら、見る間に砂に変わる石。

ある時
この荒野に幾年月を過ごし、習慣化した手を持つ私の、
大地のごとく荒んだ心の前に這い出してきた一匹のとかげがいた。

自分以外の 生きたもの というのを初めて見た。
黒光りする鱗ははっとする美しさで、私の心を捕らえた。

とかげはそれから、たまに遊びに来る。邂逅を繰り返すうちに慣れたらしく、膝の上で昼寝などするようになった。

言葉もなく、悲しみを共にする
わけでもないけれど
そっと触れると巻きつく尾と、小指で会話するのがこのところの楽しみ。

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